低価格帯(5,000円以下)で超オススメなカナルイヤホン「final E3000」のマイク付きモデル「E3000C」を買ってみたよレビュー

当ブログ史上、最もオススメなイヤホンをご紹介します。このコスパの高さはオーディオマニアでも納得で、普通の方でも十分違いが分かるでしょう。その上、マイク付きなのでスマホゲームや通話もできる万能なやつ。そんなイヤホンが本日ご紹介するfinal E3000Cです。

これまで多くの中華イヤホンレビュー記事を書いてきた中で、何度か「もし国内メーカーの低価格帯イヤホンを買うならFinal(ファイナル)がオススメ」とお伝えしました。

そんなある日、中学生になる娘から「iPhoneのイヤホンが壊れたから、新しいイヤホンが欲しい。パパ、イヤホンのプロでしょ?良いの選んでよ」と言われました。

プロかどうかは別にして、今まではiPhone付属のイヤホンを使っていた娘にとっては初めての市販イヤホンとなるわけです。せっかくだから初めてのイヤホンは最良なものを選ばなければならい、と勝手な使命感を抱きました。その結果、私が選んだのは「final E3000」でした。その理由とは・・・

【追記】本機をBluetoothポータブルDACに接続して使ってみたら、3ランクほど音質がアップしました。詳しくは最後の方にご紹介します。

目次

低価格帯(5,000円以下)で超オススメなカナルイヤホン「final E3000」のマイク付きモデル「E3000C」を買ってみたよレビュー

iPhone付属のイヤホンでは音が良くないと不満

従来のスマホ付属イヤホンはiPhoneに付属するイヤホンもよくできています。過去の付属イヤホンと比べて飛躍的に音が良く、他社もこれに追従する形で少しずつ音が良くなった。その結果、低価格イヤホンの音質底上げが発生した。という立役者の側面があります。

その音質は、特に秀でるところはないものの欠点も無く、一言で言えば「良い意味で普通な音」でしょうか。しかし、iPhone付属のイヤホンにはリアル感は希薄でした。音の伸び、ダイナミックレンジの広さ、解像度感、スピード感、臨場感、空気感は求めるべくもないわけです。

音楽やオーディオが好きでも予算というものがあるので、私の場合は荒削りながらも組み合わせさえ選べば超コスパな中華イヤホンを普段用に買っていました。熱が下がった今でもKZ AS10KZ ZSN Proは愛用しています。欠点を補う以上の長所があるからです。

https://www.onion-za.jp/pubg-mobile-with-kz-zsn-pro/
https://www.onion-za.jp/made_in_china_earphone_kzas10/

しかし娘にとって初のリファレンスイヤホンになるであろう本件では、なるべくコスパが高く、かつ正統派の音がするカナルイヤホンを選ぼうと決めました。予算的には中学生ということで5,000円前後が限度かと。

5,000円前後の高音質イヤホンと考えた場合、パッと聞いた感じでは、たぶん味付けのうまいソニーがよく聞こえてしまうであろうことは想像が付きました。しかし初めての市販イヤホン(しつこい?)がソニーではつまらない。予算内でナチュラルサウンドの高音質イヤホンとなると、もう私の中ではfinalイヤホンしかありませんでした。

 

finalというイヤホンブランドについて

finalブランドを展開するS’NEXT株式会社の公式サイト

finalブランドを展開するS’NEXT株式会社の公式サイト

finalは1974年に創業した髙井金盛氏がアメリカコネクター大手の日本法人 日本Molex LLC.より出資を受け、第一通信工業(SONY音響関連を開発してきた企業。現 株式会社McAUDI)の代表と共に設立したS’NEXT株式会社の商品ブランドです。

2009年にfinal audio designブランドにて、イヤホンの製造・販売を開始し、2014年に日本Molex LLCよりMBOにて独立しました。現在も設計や製品開発、ハイエンドモデルの製造は日本国内で行っています。

つまりfinalは、欧米テイストとSONYの音響ノウハウ、そして髙井金盛氏が製品化したアナログレコードのカートリッジ(レコード針)のような職人気質などをベースにした日本国内企業のメーカーブランドということが言えます。

現在では、finalというブランドは一本30万円は当たり前という高級イヤホン/ヘッドホンのメーカーとして、一部の人には絶大な人気を誇っています。そんなfinalが高音質でデザインにもこだわりながらエントリーラインとして用意したのが、今回レポートするE3000を初めとしたEシリーズです。

 

final E3000/E2000にマイク付きバージョンE3000C/E2000Cが登場していた

以上からfinalのイヤホンなら予算的にE2000かE3000が候補となりそうでしたが、当案件には一つだけ要件不足がありました。それは「イヤホンでLINEや電話の通話もするから、マイク付きでなければならない」ということ。そうそう私がfinalを買わなかった理由はマイク付きバージョンが存在しないと思っていたからでした。PUBGモバイルなどでボイスチャットするにはマイク付きイヤホンでなければならず、それにはコスパが見合うのがこのへんの中華イヤホンしかなかったのです。

「またイヤホン探しをやり直しかあ」と思いながら渋谷のビックカメラを見たところ衝撃の事実が分かりました。

あ、いつの間にか、final E3000/E2000にリモコンマイク付きバージョンが売られている。。。

もはや迷う理由がなくなったため即購入しました。その日の晩、娘にドヤ顔で final E3000C を渡して音を聞かせてみると「今までのと全然音が違う。。」と目を輝かせて驚いていました。パパ大勝利です。

・・・なんてことがあったので、「オレも欲しい」となるには時間はかかりませんでした。気がついたらAmazonでポチっていました。

ちなみに、イヤホンジャックのないiPhoneはLightningジャックに変換するケーブルが必要です。多くのメーカーから発売されていますが、純正品が品質良く価格もさほど変わらないのでオススメです。

 

final E3000C カナル型イヤホン マイク付きコントローラー FI-E3DSSC 購入レビュー

というわけで我が家に届いたfinal E3000C(マイク付き)がこちら。

マイク付きのfinal E3000Cの目印は、パッケージ右上にあるリモコンのイラスト

マイク付きのfinal E3000Cの目印は、パッケージ右上にあるリモコンのイラスト

パッケージの裏面には final E3000Cのスペックも書かれています。インピーダンス16Ω、音圧100dB、重量15g、ケーブル長1.2mと書かれています。周波数レンジは書かれておらず公式サイトでも公表されていませんが、ハイレゾ対応をうたうHi-resマークがパッケージにあることから上は40KHzくらいまででしょうか。

E300Cのパッケージにはスペックが書かれているが周波数特性は明記されていない

E300Cのパッケージにはスペックが書かれているが周波数特性は明記されていない

パッケージ同梱内容は、final E3000C本体、イヤピース、専用ポーチ(ケース?)、耳フックカバーです。ポーチはわりと作りが良くて他の用途にも使えそうです。なおイヤホンケーブルはY型です。

イヤーピースがやたらたくさん付属しています。これなら子どもや女性など耳の小さい方でも大丈夫ですな。イヤーピースのサイズはSS / S / M / L / LL の5種類。耳に触れる部分と軸が異なった硬度のシリコンを使用したハイブリッドタイプ。片側はピンク又は赤、もう片側は黒又はグレーとなっていて、装着した際に左右が分かりやすくなっています。

「単品で充分販売できるクオリティ」と思っていたら、本当に単品で市販していました。final Eタイプイヤーチップは軸内径は4.0mmで、SpinFitの標準軸タイプと同等。他社イヤホンでも使用可能です。

ケーブルに針金が入っていませんので、タッチノイズが気になる方のために耳にかけていわゆるシェアがけできるようシリコンパーツが付属しています。イヤホンをポケットにそのまま突っ込むことの多いガサツな私はソッコー紛失しましたが。

E3000Cの本体をアップで撮影。こいつがリケーブル対応だったら本当に無敵だったのですが、それは贅沢な悩みかな。

さらに上位機種のE4000とE5000ならMMCXコネクターのリケーブルケーブルが使用可能です。少しお高いですけどね。

E3000Cの本体裏面はたくさんのベントがあります。気になる人も多いので先に言ってしまうと、音漏れは普通レベルで特に大きくはありません。盛大に音漏れしそうな外観ではありますが、実際にはそうでもありません。

イヤーピースを外してみると、カバーのようなものがかかっていますが大口径な6.4mmダイナミックドライバーから音がダイレクトに伝わるイメージがあります。独自のギミック「イヤーピーススウィングフィット機構」によりイヤーピースの軸の角度が変えられるので、外耳が曲がった方や左右で違う方でも調整が利くのが地味に素晴らしい。

リモコン機能付きマイクがこちら。ワンボタンで、長押しや二回押しなどで異なったコマンドが送れるようになっています。裏側に小さなマイク穴が空いています。

final E3000Cの音質レビュー

外見や仕様についてのレポートは以上にするとして、あとは気になる音質レビューです。音質を確認する前に、バランスドアーマーチュアドライバー(BAドライバー)とは異なり、ダイナミックドライバー搭載機であるE3000Cでは2日程度のエージング(慣らし運転)を行いました。

ちなみにE3000Cは耳に深めに入れることをメーカーも推奨しています。耳の穴に乗せるように入れると、主に低音がスカスカで中高音域ももの足りないものになります。

レビュー音源は二種類使いました。一つはソースはいつも通りのaikoや和ジャズ、和フュージョンのアップルロスレスコーディング(ALAC)音源を、ポータブルオーディオプレイヤーONKYO XDP-20にて。aikoについては別途ハイレゾ音源も使用。

もう一つは、最近個人的にお気に入りのアーティスト、ヨアソビ「夜に駆ける」や、ずっと真夜中でいいのにのアルバム「潜潜話」を、あえてロスレスではないAmazonミュージックで聴いてみました。下記所感はいずれも1万円以下のイヤホン基準。

端的に言えば、「低音寄りながらも重たくはなく全体的にふくよかさを持ちながら全般的には上品な印象。全音域に伸びがあり、かつ自己主張は控えめで、解像度・音場・スピード感もそれなり以上あり。とにかく欠点や物足りなさを感じさせない音」でした。そしてウェットではなく、ややドライでどんな曲にも合わせやすいと思います。

これは自分の耳の記憶の通りで、やっぱり買って良かったと感じました。普段、4万円位のイヤホンを使っている自分でも、セカンドイヤホンとして充分満足できるレベルでした。

超高音・・・ハイレゾを十分判別するほど良い耳は持っていないが、非ハイレゾ音源と比較すれば分かる。
高音・・・BAドライバーと比較するとやや劣るが、十分伸びが良く解像度も高め。詰まった感じはしない。シンバルもリアル。
中音・・・距離感は引っ込みすぎず出すぎずちょうどいい。男女ボーカル、ピアノ両手、どっちもイケる。
低音・・・ダイナミックドライバーならではの柔らかで量感があり、過不足を感じない。歯切れが良いためベースやバスドラはもちろん、タムも正しく聴き取れる。
重低音・・・聴感上、量感があるので重低音好きでなければ満足なレベル。

私が優秀なイヤホンを判別する大きな基準の一つとして、ドラムのタムが正しく聴き取れるかがあります。スネアとバスドラに埋もれがちですが、曲で大事な部分のフィルで多用されるのがタム。E3000Cは問題ないと感じました。「これ一万円です」と言われても納得する個人的にはレベルです。いや、1万円クラスでもここまで丁寧なイヤホンってどれだけあるかな?

たぶん、iPhone付属イヤホンからのステップアップとしてE3000C/E2000Cあたりを買うと、かなり幸せになれると思います。イヤホンは本当に音のキャラクターが異なるのですが、このケースなら本当に違和感なく、ある意味、正統進化的に音が良くなったと感じるのではないかと思います。

逆に、ソニーの低価格帯イヤホンや、オーディオテクニカのBASSなんちゃらなどの重低音モデルを使っていた人がE3000C/E2000Cあたりを買うと、物足りなくてつまらないと思います。

なお、E3000Cおよびfinal Eシリーズ共通の最大にして唯一の弱点は、左右が見分けにくいことでした。

写真でお分かりになると思いますが、下側に「L」「R」とあるのですが視認性が低いと言わざるを得ません。多少暗い場所では、イヤーピースの黒い部分をめくって軸の色が黒系なら左、赤系なら右と判別することは可能です。ところが今回のマイク付きモデルなら「マイク兼リモコンが右側」ということで、パット見で判別できるのが素晴らしい。つまり弱点がないイヤホンと言えます。

final公式サイトのギャラリー写真より

final公式サイトのGallery画像より。下側にレーザー処理?で刻印されたLの文字

あと気になったのは、能率が低めなのか少しボリュームが下がることです。ただしプレイヤーを選ぶほどではありません。例えばMAX50のボリュームで普段35位で聴いている場合は40位に上げる必要があります。

そのため、スマホで音楽を聴く場合でも、USB DACまたはBluetooth DACを使ったほうが本来の性能を発揮できます。こうした外付けDACを使用すると、音の鮮度が大きく増します。マジで。

【追記】final E3000CをポータブルDAC「Qudelix-5K Bluetooth USB DAC」で使ったら驚いた

『E3000は「低価格なのに味付けの少ないスタジオモニターイヤホン」』として、大人な完成度の高いイヤホンと紹介しました。それは1年ほど経過した今でも変わらないのですが、試しに買ってみた携帯できるBluetooth式のDAC内蔵アンプを買って聴いてみました。

すると、明瞭さとパワー、広い音場としっかりした定位、そして伸びのある高音とパンチのある低音が聴けるようになり、めちゃくちゃ驚きました。内蔵アンプのドライブ力の影響が大きいと思いますが「あんな大人しかった彼が変わってしまった(良い意味で)」という感じです。

オニオン座は、AptX-HDやLDAC対応のQudelix-5Kを使うことで「イヤホンが無線で使えるようになった」「無線なのに、スマホやDAP直刺しより音が良くなった」「スマホにて高音質で動画が観れるようになった」という経験をしました。是非、全力でオススメしたいです。

Qudelix-5Kの詳しい記事はこちらです。E3000Cを買うのは、主にスマホで音楽を聴いているか、エントリークラスのデジタルオーディオプレーヤーをお使いの方が多いと思います。高級なデジタルオーディオプレーヤーやワイヤレスイヤホンへ乗り換える前に、是非ご覧頂きたいです。

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まとめ

以前より「国内メーカーの低価格帯イヤホンを買うなら、絶対finalが良い」と連呼し続けていました。しかし個人的な唯一の欠点は、マイクが無いことで、ハンズフリー通話やスマホゲームのボイスチャットに使えないというものでした。ところが、E3000C/E2000Cというリモコンマイク付きモデルが知らぬ間に発売されていたことを知りました。

実際、E3000Cを何のバイアスもない中学生へプレゼントして、iPhone付属イヤホンよりもfinal E3000Cの音が明確に良いと感じている姿を目の当たりにして、あらためて欲しくなって自分用に買ってみました。まさに「高級イヤホンブランドであるfinalが手抜きをせずにエントリークラスを作ったらこうなった」という印象です。

final E3000Cはイヤーチップなども含め作りが良く、音質はナチュラルで伸びも良く、誇張のないモニターサウンドでした。特に重低音好きなどでなければ、良い意味で万人向けするイヤホンでした。

もちろんデザインもスタイリッシュで、SSサイズを含む5種類のイヤーピースも付属しているので、女性へのプレゼントにもオススメです。「スマホ付属イヤホンで十分だからイヤホンを買ったことがない」という方にプレゼントしたらきっと驚くと思います。意外とお財布にも優しいですからね。

ちなみにマイク付きということで、PUBGモバイルでも使ってみました。中華イヤホンKZ ZSN PROをよく使っていましたが、比べてみるとKZ ZSN PROはド派手なアクション映画、E3000Cはリアルすぎるドキュメント映画と言った具合で非常に面白いです。もちろんマイクでのボイスチャットも良好でした。

 

それでは本日ご紹介したアイテムをふり返ります。今回の主役であるfinal E3000Cがこちら。2つめのリファレンスイヤホンに決定です。

比較対象が他社の3,000円クラスだった場合はE3000Cならグレードアップした感が確認出来ると思いますが、E3000C・E2000C・E1000C(いずれもマイクリモコン付き)のどれにしようか悩む人もいるでしょう。比較対象がiPhoneなどのスマホ付属イヤホンならE2000C・E1000Cでも十分幸せになれます。しかしE2000C・E1000Cの価格差は小さいけどE2000Cの方がずっと高音質なためコスパは高いと思います。

finalとは別ベクトルで、オススメの中華イヤホンがこちら。同価格帯で安いのにBAドライバーとダイナミックドライバーを各1本使ったハイブリッドタイプ。さらにリケーブル対応なのでイヤホンケーブルを交換することにより音質変化も楽しめるし、もし断線してもケーブルだけ買えばOK。私も愛用しています。

以上のイヤホンは全て3.5mmミニジャックなので、イヤホンジャックのないiPhoneはLightningジャックに変換するケーブルが必要です。ここは純正品が品質良く価格もさほど変わらないのでオススメです。

 

 

以上、ブログ「オニオン座」がお届けしました。最後までご覧下さり誠にありがとうございました。

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