中古で買ったiPhone・iPadにBlancco BMDEがインストールされていたときの対処方法(削除方法と注意点)

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先日、中古のiPadを購入しました。セットアップ中に設定画面に見慣れない表示がありました。「このiPadはBlancco BMDEによって監視及び管理されています。」と言うものです。

この問題は、iPadだけでなくiPhoneでも発生することが分かりましたが、ネットで調べてもBlancco社の法人向けサービスサイトしか情報が見つからず困りました。非常にレアなケースであることも分かりました。

結果的には削除を成功しましたので、当記事ではBlancco BMDEとは何なのか、なぜインストールされているのか、削除・アンインストール方法や注意点などをまとめました

先日、某中古モバイル販売店のネットショップでiPad Air Wi-Fi Cellerの未使用品を購入しました。セルラーモデルはeSIMを入れれば直接ネットに繋げられる優れ物ではありますが、新品で購入すると通常のWi-Fiモデルと比べて3~4万円ほど値段が上がります。

これくらい価格差があるならスマホでテザリング運用してもよいのですが、今回はセルラーモデルの未使用品がWi-Fiモデルの新品と同等の価格で販売されていたのです。これは買うしかない、とポチりました。

本題はここから。初期セットアップ中にふと気付きました。設定画面に「このiPadはBlancco BMDEによって監視及び管理されています。」と表示されているのです。

Blancco BMDEとは何者なのでしょうか。



目次

Blancco BMDEとは

Blancco BMDEは、Blancco Mobile Diagnostics & Erasureのことです。Blanccoはブランコと読みます。もともとPCやモバイルデバイスのデータ完全消去と診断を行うためのソリューションで、BMDEは主にモバイルデバイスを廃棄したり、中古市場に出したりする前に、大量のデバイスを処理する必要があるモバイル倉庫や再販業者向けに設計されています。

なぜ今回のように「このiPhone(またはiPad)は●●によって監視及び管理されています。」と表示されるのかというと、一般的にはiPhone/iPadに何らかのMDMがインストールされていることを示します。Blancco BMDEはMDMなのでしょうか。

MDM (Mobile Device Management) とは、企業や組織が業務で使用するスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスを一元的に管理・セキュリティ対策を行うための仕組みです。主に情報漏洩などを防止するために、設定変更やアプリインストールを制限したり、遠隔ロック・削除を実現するソリューションです。

Blancco BMDEにはそうした利用管理ないし制限に関する機能は特になく、あくまでデータ削除と中古スマホやタブレットとして販売するまでの商品管理に使用されますが、OSをも制御できるという意味ではMDMと同様に扱われるいるのでしょう。そして販売後には不要でしかないため、本来、Blancco BMDEは販売前にデバイスから削除されます。今回はたまたま削除が漏れていたのだと思います。

余談になりますが、筆者は中古スマホの販売を手がける会社に所属していました。仕入れた中古スマホやタブレットは、データを完全消去しないと情報事故になるため、筆者がいた会社でもBlancco BMDEを使用していました。担当者は「ブランコかける」と言ってましたね。この手のソリューションはいくつかありますが、おそらくブランコが最も普及していると思います。

Blancco BMDEの削除方法(iPhone/iPadの場合)

特に害はないはずなのだが、どうしても消したい

特に害はないはずなのだが、どうしても消したい

というわけで、Blancco BMDEが入ったままでも実用上の支障はないはずなのです。でも個人的には大変気持ち悪い。Blancco BMDEを消したい。

さっそく購入元へ問い合わせたところ、すぐに返信が来ました。「一度、iPadを初期化してください。申し訳ありません」とのこと。すでに大容量ゲームをダウンロードした後だったので気が進みませんでしたが、初期化することとしました。

iPadの初期化は昔から変わりません。「設定>転送またはiPadをリセット>すべてのコンテンツと設定を消去」にて行います。※iPhoneも同様です。

さあ初期化が終わったと、あらためてApple IDなどを入力して初期セットアップをあらためて実施しました。しかし設定画面の「このiPadはBlancco BMDEによって監視及び管理されています。」は消えません

結論を言うと、初期セットアップの際に初期化前のiCloudバックアップを復元してしまったため、Blancco BMDEまで復元されてしまったのです。

あらためて初期化を行い、今度は初期化前のiCloudバックアップを使わず、完全に新規のiPadとして初期セットアップをしたら、Blancco BMDEの表示は出なくなりました。念のため再起動しても表示されません。Blancco BMDEの削除が成功しました。



 

まとめ

Blancco BMDEの削除に成功した。

Blancco BMDEの削除に成功した。

おそらく今回のケースは、中古デバイスの販売元がブランコをかけた後、販売元が初期化を怠ったために発生したと言えます。

結果、Blancco BMDEの削除には成功したのですが、分かったことと注意点、削除方法や対応方法をまとめると以下のようになります。

  • Blancco BMDEは、中古スマホやタブレット(iOS/iPadOS/AndroidOS)のデータクリアや管理に使用されるもので、通常はBlancco BMDEを削除した状態で中古販売される。
  • Blancco BMDEは、もし入っていたままでも問題はない(はず)。
  • ただし、中古スマホ販売も人間がやることなので、Blancco BMDEを削除し忘れて販売されてしまうことがごくごく稀にある。
  • 少なくともiPhone/iPadでは、一度でも初期セットアップ(Apple IDとの紐付け)を済ませてしまうと、iCloudバックアップデータにもBlancco BMDEが含まれてしまう。

ここで怖いのは、Blancco BMDEが入った状態で使用したiPhone/iPadのiCloudバックアップを復元すると、なにをどうやってもBlancco BMDEが消せない状況になります。一度でも初期セットアップをした後にどうしても削除をしたければ、既存のiCloudバックアップを捨てて、完全新規デバイスとして使うしかない。つまり完全新規デバイスとしてセットアップするしかない状況に陥ることです。Androidの場合はわかりませんが、状況からこのように捉えれます。

筆者の場合は、以前使用していたiPad ProからのiCloudバックアップを復元しましたが、必要なデータはDropboxで保存済みだったので事なきを得ましたが、機種変更して以前の環境のまま使いたいという方には辛い選択となるでしょう。

以上を踏まえ、筆者のように再セットアップを3回もしたくない方、機種変更で既存のiCloudバックアップを捨てたくない方は、(少なくともiPhone/iPadの中古デバイスを購入した場合、)いったんAppleIDを登録しないで初期セットアップを行い、「設定」で「このiPhone/iPadはBlancco BMDEによって監視及び管理されています。」が表示されていないことを確認してから、Apple IDをデバイスに入力し、機種変更の方はiCloudバックアップを戻す手順を踏む必要がありそうです。

以上、とにかくレアなケースではありますが、同じ悩みを持った方が自己解決できるよう、参考になれば幸いです。

最後にひとこと。未使用品が新品より数万円安くネットで買えるの、マジでありがたい。iPad Air も最高です。



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