お庭やベランダの掃除、あるいは洗車で使われる家庭用高圧洗浄機ケルヒャーで、お風呂や洗面台といった家庭内の水回りの大掃除に使ってみた。
本記事では、ケルヒャーを家庭内で使用した場合、どれくらい効果があるのか、どういったところを注意すべきかなどを実体験に基づき検証レビューしたい。
・高圧の水を使いますので、実施は自己責任でお願いします。
・当記事の写真には、お見苦しい「汚れ」が多少写っていますがご了承いただきたい。
【検証レビュー】お風呂や洗面台の掃除に家庭用高圧洗浄機ケルヒャーを使ってみた
ケルヒャーを洗濯機の水栓蛇口へ接続するなどの準備
以前に投稿した「ケルヒャーでベランダ掃除をしてみたらどうなるか」という記事は意外と好評だった。実際に、あの記事をご覧になりケルヒャーを買った方も何人かおられたようだ。
今回の記事はその続編として「ケルヒャーでお風呂や洗面台を掃除してみたらどうなるか」という主旨の記事を投稿する。「え?ケルヒャーって屋外で使うものではないの?」とお思いの方もいるかもしれないが、そんな決まりはどこにもない。思いついたら実際にやってみたくなったのだ。
あらためてご紹介すると先日わが家へ届いたケルヒャーは「K2サイレント」という機種。ケルヒャーの中ではエントリークラスとミドルクラスの中間に位置し、本稿執筆時点でも現行機種となる。とにかく軽くて小さくて静かというのが売りのもの。
K2サイレントより1割程度パワーが落ちるが、さらにコンパクトなK MINIプラスもオススメ。たぶん屋内ならこっちでもいいと思う。
手軽に試すなら、コードレス式のモバイル高圧洗浄機「OC 5 Handy(ハンディジェット)」がすごく売れている。
さっそく、わが家の洗面所にケルヒャーを設置。めちゃくちゃ散らかってて申し訳ない。もともとが記事のための撮影ではなく、ガチの大掃除を撮影したからだ。
ケルヒャーを普通に組み立てたら、水の供給元のセッティング。洗濯機の水栓を外し、これに対応するニップルをつけたホースを接続。その先はケルヒャーへ接続すれば水の確保はOK
ケルヒャーの基本的な使い方やセッティング方法は、過去記事も参考にしてほしい。

洗濯機の水栓に対応するニップルはこちら。実際にはご自宅のタイプと合うかを確認してほしい。
ベランダ掃除でも主に使用したスプレーランスを装着。なお、水の跳ね返りが相当あるので、必ず濡れてもいい服装でやるといい。
ケルヒャーがあればブラシが届かない汚れも落ちる
さっそくケルヒャーをトリガーオン!写真では分かりにくいが、やはり相当な勢いで水道水が噴射される。室内でケルヒャーのモーター音が結構響くが、昭和のうるさい掃除機と同じくらい。日中なら許容範囲と思う。
※繰り返しになるが、本記事では、実際の汚れと汚れ落ちをリアルにお伝えするために、写真にはボカシ加工などを行っていない。
まずは気になっていた、浴槽とバスルームの隙間。ブラシでは届かないけど確実に汚れが溜まっているであろうこの場所。隙間にケルヒャーのノズルを合わせたらトリガーオン!
出るわ出るわ、浴槽の隙間に溜まった汚れが高圧水流に押し出されるように飛び出てくる。もう面白いように出てくる。約5年前にフルリフォームしたお風呂でこうなので、おたくのお風呂ではどうなるでしょうね。
次は浴槽の下を綺麗にしたい。浴槽の手前側は外れるようになっていて、浴槽設置後もメンテナンスできるようになっているのだが、この中がすごく汚れが溜まるのだ。
浴槽のエプロンを外すとこんな感じ。「どう考えても設計ミスやろ?」と言いたくなるくらい、あちこちに溝やへこみがあり、そこへ流れきれなかった汚れが滞留して固まっている。昨年の今頃に長いブラシを買ってきて、洗剤やクエン酸などを使いながらキレイにしたが、たった1年でこうなる。おたくのお風呂では(以下略
そこへケルヒャーのノズルを合わせてブシャー!なのだ。普通にシャワーを当てるだけでもそこそこ汚れが流れてくるが、ケルヒャーではその勢いと流れてくる汚れの量が全然違う!
ガスや水道の配管などは直接当たらないように気をつけながらも、角度を変えてこなしていく!経験者しか分からないと思うが、腰をかがめてブラシを変えながら奥の方までゴシゴシやってた者からすると、本当に画期的なのだ。さすがに公開できないレベルの汚れが出てきた。
ちなみに、あまりに汚れが出てくるので、浴室の排水口が詰まらないよう、排水口ネットを事前に被せておいた方がよさそうだ。
もはや遊び半分でエプロン内をケルヒャーするとあっという間にキレイになった。どうしても固化してしまった汚れのために中性洗剤をつけたブラシはあったほうがいいが、ほぼほぼケルヒャーで終わり。全てブラシ掃除していたときとは疲労感が全然違う。
ついでに面倒くさいのが浴槽の全面を覆っていたエプロン自体の裏側の掃除だ。強度を増すために格子状になっていて、これにも汚れが詰まります。従来は、ひとマス毎にスポンジで洗っていたが面倒なわけ。
なのでエプロンの裏側にもケルヒャーを使う。相当水が跳ね返るが、もはやそれ以前から身体はびしょ濡れなので気にしない。そうするとこんなにキレイになるわけ。洗い残しもない。
洗面台のあの汚れも面白いように落とせる
次は洗面台だ。鏡や化粧品棚は気になったときに拭き掃除すればいいのだが、私が気になっていたのはオーバーフロー(予備の排水口)。洗面台の正面か横にあって、水が溢れないようにしてくれる、あの小さい排水口。ぜったいココ汚れてる。
最近ではオーバーフローの洗浄用泡洗剤が流行っている。これも良さそうだが、今回は水圧という物理で掃除してみる。
よくみると案の定汚れている。そこでこの予備の排水口にケルヒャーを押し当ててトリガーオンしてもなんというか汚れ落ちの実感がない。汚れもあまり流れてこないのだ。
それでは、と下の排水口の左側が予備排水口へ繋がっているのでそこへ向かってケルヒャーをトリガーオン。ぱっと見でこれくらい汚れていた。
そうすると「え?」ってくらい汚れがヨコのオーバーフローから流れてきた。これは気持ちいい!
ちょっと角度を変えたり試したら完了。さらにメインの排水口もケルヒャーしちゃうのだ。排水口をケルヒャーすると、オーバーフロー(予備の排水口)からも水が出てきて残っていた汚れも落としてくれる。これは一石二鳥。薬剤もブラシも使わずキレイになった。これぞエコ。
勢いあまって洗濯機もケルヒャーしてみる
もう汚れを落とすのが楽しくなってきて止まらない。洗面台の隣にある洗濯機の掃除にもケルヒャーを使ってみる。
ちなみに少し話は逸れるが、洗濯機の洗濯槽の掃除についてお話しを簡単にしたい。わが家では年に1~2回は洗濯槽の掃除を行っている。洗濯槽掃除用の洗剤は無駄に高いので、わが家はもっぱら過炭酸ナトリウムなどの漬け置き洗いをしている。専用洗剤と効果はあまり変わらないと思う(実際、成分もそんな変わらない)。
注過炭酸ナトリウムは弱アルカリ性なので、酸性タイプの洗剤と併用は絶対NG。もし汚れ落ちを気にして洗剤(界面活性剤)を付与したいなら、中性洗剤をごく少量加えるようにする。ただし大量に入れると泡だらけになるのでこれも注意してほしい。
洗濯槽の掃除は、40℃程度のお湯を貯め込んで、過炭酸ナトリウムを入れて少し回し、あとは半日程度放置。その後、すすぎを2回くらいやればOK。この掃除をやったことない洗濯機だと、びっくりするくらい汚れが浮き出てくる。
脱線したが、ケルヒャーでの洗濯機掃除の話に戻りたい。洗濯機も電化製品なので無茶は禁物だ。洗濯槽の漬け置き洗いでは落とせないけど濡れてもよさそうな箇所だけに絞る。まずは洗濯槽のフチの部分。
なるべく部屋に水が飛び散らないよう、フタや洗濯槽のフチをケルヒャーしていくと、あら綺麗。
投入用の洗剤や柔軟剤を入れられる洗濯機もあると思うが、このへんはすぐに汚れるのだ。
なのでケルヒャーで洗っちゃう。水圧を強く当てすぎると割れたりしそうなので、ムリはしない。頑固なところは流れ落ちていないが、ゆるい状態になっているのでスポンジでさっと拭き取れば完成。
まとめ
今回の検証レビューでは、屋外での掃除に大活躍の家庭用高圧洗浄機ケルヒャーは、家庭内の水回りの大掃除でも非常に有効であることが確認出来た。
特殊なブラシや洗剤を使用しなくても、ケルヒャーを使用することでお風呂場や洗面台、洗濯機などの大変効率よく汚れを落とすことができ、それぞれ専用の掃除道具や洗剤を用意しなくても済むことが分かった。経済的で環境にも優しいことも確認できた。
注意点は、ケルヒャーは水圧が非常に強いので、「電気や配管周り、その他圧力に弱そうな箇所は直接当てない」「水はねが必ずあるので濡れてもいい、拭けばいい場所で行うこと」が大事なことも分かった。
とにかく、擦らずに垢や石けんかす、配管に詰まったヘドロ状のものも簡単に流し落とせるので、掃除が楽しくなるレベルな事も実感した。是非、この体験を皆さんにも味わってもらいたいとオニオン座的には感じております。
それでは本日ご紹介したアイテムをふりかえります。
ケルヒャーにも多くの機種がありますが、マンションにお住まいでも使いやすく経済的な「K2サイレント」はこちら。
洗濯水栓からホースをつなぐ場合に必要なアタッチメント(ニップル)がこちら。