家庭用高圧洗浄機は、水を高圧噴射して庭やベランダ、塀などの掃除、そして洗車に大活躍すると言われています。そのなかでも有名なのがドイツのケルヒャーです。
クルマもないし、広い家でなければあまり意味が無いだろうと思っていましたが、実際に使ってみたら大変便利でした。特にお風呂や網戸、ベランダなど、ケルヒャーがなければ無理だった汚れがガンガン落ちて、本当に気持ちいいです。それも洗剤不要で汚れが落ちます。
この記事をご覧になると、ケルヒャーの基本的な使い方、組み立て方、向いている掃除場所とコツなどを理解できます。
家庭用高圧洗浄機ケルヒャーは都内のマンション住まいでも使えるか
家庭用高圧洗浄機とは、内蔵するコンプレッサーで水道水を圧縮し、それを圧力をかけて放出することで擦っても落ちないような汚れを一気に落としてしまう優れものです。洗剤いらずで汚れが落ちるので環境にも優しいですね。
そんな家庭用高圧洗浄機をなぜ買ったか、というところからお話をします。
わが家は都内のマンションで、角部屋のためベランダがわりと広く、窓や網戸の枚数もそれなりにあります。当然ベランダには水道蛇口はなく、食洗機の二股水洗より延長ホースでベランダに伸ばしてここ数年は掃除していました。ところが水圧不足で汚れを飛ばすことはできず、ベランダはデッキブラシでゴシゴシして、窓も普通に二度拭き、網戸はブラシで丁寧に掃除してました。
これがクッソ疲れるの。腰は痛くなるしマジ拷問なわけ。
今年も大掃除でベランダ&窓やんなきゃ、、と鬱になっていたとき、楽天スーパーセールで流れてきたケルヒャーを発見。よくみると想像より安く、大量ポイントゲットで実質価格は「え?こんなもんで買えるの?」という安さ。年に数回しか使わないだろうけど買ってみました。
そして買ったのがケルヒャーK2サイレントです。
ちなみにキッチン→延長ホース→ケルヒャーK2サイレント でつなげば、水栓のないベランダでも使用が可能です。
ケルヒャー家庭用高圧洗浄機 K2サイレントを買ってよかったこと、残念だったこと
本項では、ケルヒャーK2サイレントの商品レビューをしようと思いますが、お急ぎの方へ向けて結論から言います。
私は買って良かった。K2サイレントは買いだと思う。力仕事から解放された気分です。
よかったこと
・汚れ落ちが期待以上に良い。
・思ったより安く買えることができた。なのでコスパは良い。
・うるさいと聞いたけど実際に騒音は思ったほど大きくない。某雑誌の調べでは78db(地下鉄の車内程度)で、日中なら近所迷惑にはならないと思う。
残念だったこと、留意すること
・使い方によっては水が飛び散る。水圧が高い証拠ですね。
・本体より噴出口までは付属品で一通り揃っているが、水道栓から本体までは自分で揃えなければならない。何を揃えればいいのか分かりにくい。
なぜ、以上のように感じたか、また揃えるべき物はこのあとでお話しますね。
次に、公式サイトの情報から同価格帯のケルヒャーを比較しました。K4プレミアムサイレントは上位機種ですが参考に掲載してます。
機種名 | K2 | K2サイレント | K3サイレント(50Hz) | K4プレミアムサイレント(50Hz) |
フォルム | 縦長 | トランク | 縦長 | 縦長 |
最大許容圧力 (MPa) | 最大 9 | 最大 10 | 最大 10 | 最大 11 |
吐出水量 (L/h) | 最大 360 | 最大 360 | 最大 360 | 最大 400 |
給水温度 (°C) | 最大 40 | 最大 40 | 最大 40 | 最大 40 |
モーター出力 (kW) | 1.25 | 1.25 | 1.3 | 1.35 |
質量(アクセサリーを含まず) | 5.5 | 5.8 | 12.7 | 13.6 |
梱包質量 (kg) | 7.8 | 8.4 | 16.4 | 19.1 |
寸法(長さ×幅×高さ)(mm) | 242 x 280 x 783 | 538 x 293 x 303 | 394 x 289 x 542 | 417 x 306 x 584 |
モーター | 空冷 | 空冷 | 水冷 | 水冷 |
こうしてみるといずれも水圧の性能指標となる値「最大許容圧力 (MPa)」「吐出水量 (L/h)」は、K2サイレントとK3サイレントでは同等でした。K2は少し落ちるかな。
モーターは水冷の方が耐久性が3倍優れていてメーカー保証も3年とされてます。毎週のように使うなら耐久性は考慮したいですが、せいぜい年に数回しか使わないのでコンパクトで静か、そして小型で収納しやすいK2サイレントにしました。
サイズの違い感はこちらの画像で一目瞭然です。わが家では収納まで考えたらこれはK2サイレント一択だと思いました。
ちなみに置き場所があり高性能と耐久性を求めるならK4サイレント以上の水冷モーター搭載品がオススメです。執筆時点の最高機種がこれですがいうほど高くないです。
ケルヒャー家庭用高圧洗浄機 K2サイレント 商品レビュー
というわけで、わが家へ届いたケルヒャーK2サイレントさんがこちら。パッケージはそこそこ大きいです。とは言っても2Lペットボトルの箱を重ねたくらいでしたね。
別の角度からK2サイレントのパッケージをご紹介。
ケルヒャーK2サイレントの本体はこんな感じ。取っ手がついてて持ち運びに意外と便利。左の丸いところが電源スイッチです。掴みやすいので軍手をはめていても使えます。
裏はノズルを収納し、ホースや電源ケーブルを巻けるようになっててありがたい。
横から見ると電源ケーブルが生えてます。
逆から見ると、噴射口が上にあり、逆流弁付きの給水口が下にあります。
トリガーガンがこちら。この先っぽに各種ノズルを接続します。パーツがわりとプラスチッキーですが軽量化や腐食防止を考慮するとこうなるのかと思います。すぐ壊れそうな感じはしませんが保管の際は直射日光が当たらないよう配慮した方がよさそうです。
主な付属品を並べてみました。ぐちゃっと並べてしまったのですが、まず一番下は長さ8mの高圧ホース。その上が強さを変えられるバイオスプレーランス。その上の先がラッキョウみたいなのが渦巻き状の水を出せるサイクロンジェットノズル。左がフォームノズル。これら3点が付属のノズルです。そして一番上が別売りのデッキクリーナーPS20です。
今回いっしょに購入したデッキクリーナーPS20はこちらです。ネットショップによっては本体とセット売りもしています。
フォームノズルをバラしました。このタンクに洗剤を入れてブシャーっとできるので、洗車などに便利そうです。高圧水につられて洗剤も一緒に噴射する仕組みですが、実際に使ってみると大量の泡を噴射できて便利ですが、それだけに洗剤の消費は意外と早かったです。
ここからはケルヒャー家庭用高圧洗浄機 K2サイレントの組み立て方です。順番はお好みで試してください。基本的に下流から組み立てていくと水漏れ事故が起きにくいです。
本体の吸水口は逆止弁のようになっているので、付属のニップルを取りつけるカップリングを付けます。
こうなります。ちなみにこのカップリングは収納時もそのまま付けっぱなしにしました。
あとは高圧ホースを本体に接続します。接続口を押し込みながら高圧ホースを差し込みます。ホース自体の向きはどちらでもかまいません。
トリガーガンにも高圧ホースを接続します。黄色いパーツを外してから高圧ホースを差込み、黄色いパーツを戻します。
トリガーガンにノズルを装着します。私は横長い高水圧を出したかったのでバイオスプレーランスを装着しました。
ノズルや延長パイプの接続方法は共通しています。ぎゅーっと押し込むように挿したら90度回します。これでロックOK。ものによってはさらにスクリューで絞めるのもありますが基本は全てこう。
以上でケルヒャー側のセッティングは完了。次に水道をケルヒャーへつなぎます。
我が家では従来使っていたリール式のホースを延長ホース代わりに使いました。公式には耐圧ホースを使うよう書かれていますので「耐圧」「耐圧糸入り」とされたホースを選んだ方が無難です。
このリールホースはホームセンターで衝動買いしてしまったのですが、うちの場合はキッチンから給水できるので10mもあれば十分。短くてもいいからもっとコンパクトなリール式ホースを買えばよかった。このへんとか。
こういうシャワーヘッドが付いているんですが
外すとケルヒャー本体の給水口にそのままつなげられます。
ホース選びがよく分からない人は、純正品を買うのもアリ。短いですけど間違いはないでしょう。
蛇口から本体への接続については環境によって異なります。我が家の場合はパナソニックの食洗機を設置しているので、このようなストッパー付きの二股水洗を使ってます。洗濯機用蛇口と同じ構造で、万一ホースが外れたとしてもすぐ水が止まるようになっています。
この真ん中の白いストッパーがくせ者で、よくある散水用の延長ホースなどをつなげても水が出てくれません。そこで中間パーツのニップルとして「タカギ GAW44」を購入。
無事に使うことができました。ベランダや浴室近くにある洗濯機の水栓からホースを使ってベランダなどを掃除するときにも、上記ニップルがあればホースを接続することができます。
家庭用高圧洗浄機ケルヒャーK2サイレントでベランダ&窓の掃除をやってみた
実際にケルヒャーK2サイレントで実際にベランダ&窓の掃除をやってみました。使いながら撮影するのが非常に大変だったのであまり写真がありません。あとで追加しますね。
というわけで使用前・使用後の一例をお見せしようかと思います。まずは掃除する前のベランダ。模様の入ったタイルに土埃が詰まっています(こういうタイルを屋外に採用するハウスメーカーとかどうかしてると思う)
見よう見まねでケルヒャーを使った後はこんな感じ。完璧ではないですけど水をかけるだけでここまでキレイになるのは気持ちよすぎます。
というわけで、まずは水流の勢いをみてみました。調整ができるバイオスプレーランスではSOFTにすると普通のホースから水が出るくらいの勢い。HARDにすると両手で押さえたくなるほどかなり強い勢いで放出されます。横広い水流(ホースの真ん中をつねったような?)が出てくれます。無段階調節できるので好みに合わせて使えます。
当初はベランダのタイルを掃除するつもりでしたが、壁や天井でも効果的なことが分かりました。手の届かない場所でも面白いように土とホコリに汚れが落ちます。
しかし実際に使ってみて分かったのは、やはり固化してしまった汚れはジェット水流だけでは落としきれません。もともと私は完璧を求めていないのでいいのですけどね。
「ケルヒャーで表面の汚れやしつこい汚れの大半を落とす→デッキブラシでゴシゴシ(汚れによっては洗剤使う)→ケルヒャーで流す→必要に応じて乾拭きする」が完璧とは思います。
「私は一切こすりたくない。水流だけでテラスの汚れを落としたいんだ」という方は少しお高いですがこちら。ブラシはついておらず回転する2つのノズルが内蔵されていて水はねを防ぎながら徹底的に汚れを落としてくれます。
あと、ネットの口コミにもありましたが、強すぎる水流のためかなり水が跳ねます。なので自分にも水がかかるのはいいとして、汚れもあらぬ方向へ散ってしまうことが分かりました。このため「上から下」「遠くから近く」を意識して使わないと何度も同じ所をやらなければならなくなったりします。
この水の飛び散りを防ぐのに効果的と口コミを読み、別売りオプションも購入しました。デッキクリーナーPS20です。テラスクリーナー T 5と違いブラシが付いています。
デッキクリーナーPS20はデッキブラシの中に噴射口が付いているものです。これがスゲえ便利。普通のデッキブラシだと力を入れてゴシゴシしないと汚れが落ちませんが、こいつだと水で汚れを落としながらブラシで擦るのであまり力がいりません。高圧噴射だけでは落ちない汚れ、高圧噴射だけだと掃除ムラができてしまうような箇所に最適です。
あとは窓の掃除です。窓に水流をかけると大部分のホコリが落ちてくれます。ただ水滴は残りまくるのでから拭きかスクイジー(ワイパー)で水気を取った方がいいです。でもブラシも届きにくいようなアルミサッシの隙間に詰まった汚れも一気に流してくれるのは感動ものです。
もっと素晴らしかったのは網戸の掃除でした。網戸の上から少し離して高圧水をかけると、網戸の色が変わっていきます。「おまえ、元々はこんなキレイだったんだな」と感動です。普通に網戸掃除しようとするとぞうきんがすぐに真っ黒になるし、網戸専用ブラシを使うのもわりと重労働です。それが絵を書くように汚れが落ちていくのはマジで快感です。レールに詰まったホコリも一緒に流れていきます。
ただし、ケルヒャーを網戸掃除に使う場合、網戸に近づけすぎると網戸が高圧水流で伸びてしまったりするおそれがありますから、最初は少し離して様子を見ながら使ってください。また、網戸の汚れが窓につきますから、網戸を掃除してから窓を掃除するようにしないと二度手間になりますのでご注意ください。
まとめ
都内のマンション住まいですが、ベランダ菜園をやっているのでどうしても土埃によるベランダのタイルの汚れが気になりました。従来は掃除を散水ホースとデッキブラシで行っていましたがあまりに重労働だったので家庭用高圧洗浄機ケルヒャーを買ってみました。
安かったので期待していませんでしたが、ケルヒャーの汚れ落ちは想像以上で使い勝手も良く、これは買って良かったと思いました。天井も壁もタイルもキレイになりました。
ベランダタイル:◎
→散水して洗剤まいてゴシゴシしてホースで流す、という苦行から解放。楽して十分キレイになった。
→薬剤とデッキクリーナー&テラスクリーナーを使えば完璧と思うが、そこまで求めなくてもザッとキレイになるのは気持ちいい。楽な分、掃除回数を増やせそうなので問題なし。
→たぶん汚れが固化する前、つまりキレイなうちからやっておけばずっと楽だったはず。早いうちに買えばよかったと後悔するレベル。
壁・ベランダ天井:○
→手の届かない場所まで、みるみる汚れが落ちるのは快感。
→テレビで観たような、黒いブロック塀が真っ白になるようなのは、たぶん業務用でなければ無理。
窓:○
→よほど汚れてなければ一気にキレイになる。雨どい・レール・サッシのでこぼこまで秒でキレイになる。
→乾かないうちにスクイジーか乾拭きをしないと汚れた水滴が残るので注意。
網戸:◎
→マジで感動。新品のようにキレイになる。
→窓と同じく乾拭きが必要。あと劣化した網戸は破れる可能性があるので注意する。
お風呂:◎
→床から天井まで高速で掃除が終わることにきっと驚きます。
→特に素晴らしいのが、浴槽のエプロン内。ドン引きするほど汚れが落ちます。
洗面台:◎
→あふれないためにある予備の排水口に噴射すると、これまたドン引きするほど汚れが落ちます。
ケルヒャーは一種のコンプレッサーなので音が大きいと言われていますが、個人的な感覚では大昔の掃除機くらい。ご近所さんが特別神経質でなければ、日中であれば近所迷惑にならない程度と思います。
やはりホースの接続などが多少面倒ではあるので「毎週使おう」とは思いませんが、月1回くらいならいいかなという感じです。
収納場所にも困らず庭に蛇口のある一軒家にお住まいの方は迷わず買った方がいいし、狭いマンション住まいでも買ってよかった、と思えるアイテムでした。
ちなみにK3以上の機種では東日本50Hzと西日本60Hzによって製品が分かれます。間違って買わないようご注意ください。
では、本日ご紹介したアイテムを振り返ります。普及モデルの中で最もコンパクトかつ最も静かなケルヒャーが今回ご紹介したK2サイレントがこちら。
少し大きくてもいいからもっとパワーが欲しいぜ?という方はK4プレミアムサイレントのほうがよさそうです。K3サイレントではスペック的にあまり変わりません。
溝付きのタイルを掃除したい方、水の飛び散りを抑えたいという方はブラシも買っておきましょう。しつこい汚れは物理攻撃が有効です。
洗濯機や食器洗浄機の蛇口から給水する場合は必須なパーツがこちら。この洗濯機蛇口用ニップルを中間に挟むと一般的な延長ホースがそのまま使えるようになります。
我が家では使いませんでしたが、庭にあるような金属の蛇口を使う場合はこのニップルがあると一般的な延長ホースがそのまま使えるようになります。
以上、最後までご覧くださりありがとうございました。ブログ「オニオン座」がお届けしました。