家族全員が何らかの動物アレルギー持ちなのですが、娘の情操教育のためにも何かペットを飼いたいと思っていました。
そこで灯台下暗し的な定番ペット「金魚」を飼うことにしました。きっかけは昨年の夏のことです。あるお祭りで金魚すくいでゲットした2匹の金魚(品種:小赤)を持ち帰り、そこからバタバタっと準備をしたのです。
金魚なら飼うのが簡単で、水さえちゃんと変えていればいいと甘く見ていました。実際、難しいというほどでもないのですが、苦労したこともありましたのでその経緯をご紹介します。
アレルギー持ちでも飼えるペット、金魚を飼ってみた(飼い始めから尾ぐされ病対策)
私の持論として「ガキの頃に動物を飼ったことがないなんて人間はダメ」があります。
子どもの頃に動物を飼い、きちんと育てることは多くの学びが得られます。だから娘には生き物を可愛がるだけでなく、ペットの病気の世話をしたり死んでしまったりという経験をさせてやりたいと考えてました。実際には親がペットの世話をするのでしょうけど、その姿を見るのも大切だと思いました。いわゆる情操教育かな。
でも、うちは全員がアレルギー体質です。毛や羽の生えた動物を飼うにはリスクがあります。アレルギーの影響が出るか出ないか、イチかバチか試しに飼う、なんて命を粗末にすることはもってのほか。そんなわけで金魚を飼うことにしました。
金魚を飼うための準備
まずスーパー「ライフ」のペットコーナーで水槽セットを購入しました。下記の「金魚元気セットS」というものでした。約10リットルの水槽に、フィルターとエアーポンプが一体型になった「ぶくぶくフィルター・ロカボーイS」、ちょっとしたオマケがセットになったものです。金魚飼育の入門にはちょうど良さそうです。
水槽は既にご自宅にある方は、ロカボーイ単体で購入することができます。しっかしこのロカボーイとやら、よくできている。砂利と活性炭入りフィルターを通して空気がブクブクと出ます。
これにエサとカルキ抜き、敷き石1kgを別途購入しました。実売価格ではコミコミで3,000円もしません。
かくして2匹の金魚を飼い始めましたが、個人的にちょっとビジュアル的に寂しい。もうちょっと賑わいが欲しいと欲がでました。
そこで池袋西武デパート9階のフィッシュショップで、追加メンバーを買いました。ここは私が幼少時期によく遊びに行ったところです。ですんで30数年以上はやってる老舗です。暖かい時期は釣り堀もやってます。
出目金やチョロQみたいな流金は、可愛くないとの多数決全会一致によりコメットを2匹購入しました。金魚すくいでゲットしたものを合わせ、我が家の金魚は計4匹となりました。ついでに本物の水草も購入しました。
水槽は2匹でスカスカだったのに、4匹にもなると見るからに狭そうです。たしかに「金魚元気セットS」の説明書には、オススメの飼育は「2〜3匹」とありましたがその通りでした。
狭いだけならまだしも、水の汚れるのが異様に早い。そうです。金魚を飼うコツの基本としては、金魚の数よりも余裕を持った水槽の大きさが必要なんです。今の小さい水槽では水の量とフィルタの性能を超えてしまったように思えます。今思うとエサのあげすぎも原因かもしれません。
この状況は飼育部部長の私としては看過できないと判断し、或いは今後の増員を見越して、置き場所ギリギリの大きめサイズを探しました。またフィルターもより大型を購入するとなると、やはりセットで買った方が安いという結論に達します。
結局は「リラクアL」というセットを購入しました。水容量は倍の20リットル。外掛けフィルターがついています。この水槽を選んだ理由は、容量の割に奥行きが短い(20.5cm)ところと、消耗品となるフィルターがあらゆる店で売っているところです。敷き石2kgも追加購入。
水槽を拡大後に金魚が病気になってしまった
というわけで、水槽の選び方に問題はありましたがなんとか落ち着きました。4匹の金魚はマッタリと水槽を泳ぎ、疲れ気味の私の心をも癒やしてくれます。
金魚とは言え個性があるようで、私が水槽に近寄るとはしゃぎながら寄ってくるやつ、愛想のないやつ、様々です。子供よりも自分の方が金魚に夢中です。家事を疎かにしても水槽の水は替える、そんなダメ亭主です。その後、金魚たちに病気が流行り始めます。
そして、ペット飼育にはつきものの悲しいお別れがありました。
しばらくは問題なかったのですが、初冬に先住民の2匹が立て続けにお亡くなりになりました。1匹目は家に帰ってくると浮いてしまっていました。もう1匹はふらふら調子が悪そうでしたので水槽に薬(メチレンブルー)を入れましたが効果がありませんでした。
お墓を作りたいところですが都内のマンション住人には難しいところです。娘を連れて、近くの神田川へ水葬することとします。合掌。。
尾ぐされ病の原因と対策
飼い方がまずかったのか、過ちを繰り返さないために原因を考えてみました。
水はマメに替えている。エサもあげすぎないようにしている。金魚は寒さにも強く、屋外で飼う場合は冬眠すらすると聞いていましたし、まして室内で飼っていたのになぜなんだろう。
ともかくできる予防策を打とうとヒーターを購入しました。水温は高くなくてかまいませんが一定温度にすることで抵抗力を維持しようと考えたからです。18度に安定する安めのものを購入。別途100円ショップで水温計も購入しました。
金魚用ヒーターを入れた結果、平均気温が10度を下回る中でも水槽内は18度で保っています。エアコンをあまり入れない我が家では、水槽の方が暖かいという状態になりました。
水温が上がる分、水の劣化も早くなりそうなので週1回の水替えと、週1回の全掃除を行うようにしました。ヒーターのおかげか、食欲旺盛なコメット2匹は元気そうです。
そんなわけでコメット2匹に名前を付けてみました。金魚の柄から娘が大きい方を「スペードちゃん」、小さい方を「エースちゃん」と名前を付けました。ドキドキプリキュアでトランプの柄を覚えたのが影響でしょうけど分かりやすいので即採用です。
スペードちゃんは人なつっこく私が近づくと寄ってきます。でも娘が近づいてもあまり寄ってきません。金魚も顔を覚えるのかな。ちなみにエースちゃんは私が近づくと飛び跳ねます。個性があってよろしい。
その後、金魚たちが年を越しましたが再び病気が発症しました。
エースちゃんの様子がおかしいです。しっぽが短くなってきてます。明らかに「尾ぐされ病」です。何をどうしたらいいのか分からずネットを調べ、まずは治療薬を入れて薬浴をします。メチレンブルーというクスリでした。徐々に尾ビレだけでなく背ビレも溶けていきますが、こまめな水替え以外は祈るしかありません。絶食させた方がいいという話もありますが、食欲はありましたので少なめのエサをあげました。
メチレンブルーを水槽に入れてから2,3日経過して「尾ぐされ病」の進行が止まり、日に日にヒレが再生していきます。すごい生命力です。まるでトカゲかタコか、みたいな。ただし再生したヒレは白ではなく黒っぽいです。朱文金のようにマダラになっていますが食欲もさらに旺盛となり、ひとまず安心。水替えを比較的マメに行うくらいにして様子を見ます。
しばらくしてエースちゃんと同様に、今度はスペードちゃんの尾ビレに「尾ぐされ病」の症状が現れました。また治療薬メチレンブルーを入れて薬浴をします。しかし、こまめな清掃、水替え、薬浴の甲斐もなく、症状が進行していきます。一難去ってまた一難。またもや対策をしてみます。
治療薬メチレンブルーによる薬浴の効果も見られません。あらためてネットで情報収集してみます。
そもそも「尾腐れ病」は、カラムナリスという細菌に金魚が感染すると発病するそうです。水が汚れているとなりやすいとか。
しかし水替えはよくやっていますし、あんまりに水槽全掃除を行ってもかえってストレスが貯まってしまうのではないかと懸念。水槽掃除も見直してみました。
ここまできたら出来ることをやってみます。まず水槽の底にある砂利を排除します。
通常時はこの砂利が汚れを吸着してくれたり、砂利に繁殖するバクテリアが水質を良くしてくれたりしますが、今時点は「水の汚れや細菌を保持してしまう存在」と考えました。
次に砂利と同様の理由から、フィルターとエアーポンプが一体型になった「ぶくぶくフィルター・ロカボーイS」の活性炭フィルターを外します。ロカボーイにはエアーポンプとしての役割だけ果たしてもらいます。
外掛けフィルターも活性炭フィルターを外します。一緒に入っているスポンジは熱めのお湯でよく洗います。
ふとパイプの中を見ると、、、コケのようなものがビッシリ入ってます。完全に見落としでした。お湯で流しても取れず、歯ブラシも細いパイプには入らず。100円ショップで湯飲み等の注ぎ口を洗う、細いブラシを購入して洗います。かなりの量のヘドロが出てきました。こいつが細菌の温床か?可能な限り分解して清掃します。
魚は暗いところが好きだし、ストレスを最小限にするためにも水槽の半分にバスタオルを遮蔽します。これは昔、父親が鯉を飼っていた際にやっていたのをマネしてみました。無駄かもしれませんがマイナスにはならないだろうと思いやってみます。
すっかりシンプルになってしまった水槽です。これで毎日水替えをして様子を見ます。でも見るたびに尾ビレが溶けていき、もはや原形をとどめていません。「尾ぐされ病」の進行が止まっていません。
金魚の水槽に塩を入れる荒治療「塩水浴」
淡水魚に塩を入れるなんて、、、と素人なりに敬遠していましたが、もう他に方法がありません。ネットの情報を参考に、水槽へ塩を入れてみます。
塩を入れる理由は、水の浸透圧を変えることにより、金魚の体力温存ができるとのこと。また濃い塩だと細菌を殺すこともできるらしい。
症状やノウハウによって塩の濃度は異なるようです。プロは濃いめの塩水に短時間だけ金魚を入れるとかありますが、ど素人には怖いです。ネット上で最も多く見られたのが「水に対して0.5%の塩を入れる」でした。0.5%では殺菌作用はあまり期待できないけど体力温存は期待できるらしいのでまずは試してみます。
約20リットルの水槽ですから100グラムの塩を入れることになります。ケーキ作りに使っていたキッチンスケールで重さを量ります。このキッチンスケールで「金魚に使う塩を計る」とは思ってもみませんでしたが。
ちなみに塩の配分についてですが、例えば10リットルを0.5%の塩水にしようとした場合、水9,950gと塩50gとなりそうですが(さらに比重を考慮したらもっと細かい)、金魚業界ではそこまで厳密ではなく、10リットルに50グラムでいいそうです。
塩を計り終わったら、水替えの水に少しずつ混ぜて入れてみます。で、別途得られた情報として、細菌は高温に弱いとのこと。できれば30度固定のヒーターがあればいいのですが未だ持っていません。水替えの際、お湯を混ぜてちょうど30度くらいにしたものを入れていきます。
金魚たちからすれば、急に水温が上がるわ塩っぱいわで初めての時は少しビックリしたようです。でもすぐに落ち着いてきました。傷口に塩を塗るようで痛いだろうな。。と心配していましたが思いのほか元気です。ここ暫くは水底でじっとしていた病中のスペードちゃん、普通に泳ぎ始めました。尾ビレが完全にない状態なので不自由そうですが、私が水槽に近づくと寄ってくるようにもなりました。
金魚を断食させてみる方法もあるとのこと。金魚は1ヶ月くらいエサを与えなくても餓死することはないそうです。冬眠するくらいですから身体に蓄えられるんでしょうか。病気療養中の金魚は体力の消耗を最小限にしないといけませんので、むしろ食事をしないほうがいいとの情報がネット上でもよく見られます。食べることでも体力を使うからだそうです。可哀想な気もしますが少し絶食させてみます。
さらに外掛けフィルターを外してみました。4匹飼っていた頃の惰性なんですが、外掛けフィルターとロカボーイを両方使っていました。嫌気性の細菌の繁殖防止にもなるかななんて。今回は少しでも細菌の保有箇所を減らすことを目的に外掛けフィルターを外してみました。
あとは水草です。金魚の隠れ場所としておいておきましたが、これも今は細菌の温床になりかねないので外します。
その後の水替えも、捨てた分だけ塩を補充して、また温度を高めにして様子を見てみます。
まとめ
羽や毛のない動物で、ハ虫類や両生類以外となると魚という選択になるわけで、金魚を飼うことにして水槽セットを買ってみたものの簡単ではありませんでした。
金魚が病気になってから慌ててしまい、色んな方法を試したのですが、本当は病気になる前、もしくはその前兆に気付いた段階で少しずつ対策をしておくべきでした。
記事作成から約1週間後、一匹の金魚が天に召されてしまいました。。最後の一匹の方は元気にしています。暖かくなると水質が悪化しやすくなりますので小まめに水替えをして長生きしてもらいたいと思います。
以上、ブログ「オニオン座」がお届けしました。最後までご覧下さり誠にありがとうございました。