SOUNDPEATS(サウンドピーツ)のBluetoothイヤホンForceHDがコスパ高すぎてヤバかった件

BluetoothイヤホンSoundPEATS Force HDのパッケージ

それなりイヤホン好きな筆者の「有線に比べたらBluetoothイヤホンなんてゴミだよね」という価値観をひっくり返したBluetoothイヤホンがありました。Apple AirPods Pro?SONY WF-1000XM4?いや、そんなのより全然安いサウンドピーツというメーカーのBluetoothイヤホンでした。

一昨年の冬、記事にして小馬鹿にしてやろうとAmazonでサウンドピーツの福袋を買ったら、スゴく良かったのです。福袋に入るような余剰在庫品ではなく、最新のものを買ったらどんな音がするのだろう。そう思ってSoundPEATS Force HDを買いましたので商品レビュー致します。

ちなみに、SoundPEATS Force HDはすでに市場在庫が少なく、さらに後継機種のSoundPEATS Force Proと概ね同じとお考え下さい。

目次

SOUNDPEATS(サウンドピーツ)のBluetoothイヤホンForceHDがコスパ高すぎてヤバかった件

Bluetoothイヤホンはゴミじゃなかった

BluetoothイヤホンSoundPEATS Force HDとApple AirPods Proを並べてみた

BluetoothイヤホンSoundPEATS Force HDとApple AirPods Proを並べてみた

イヤホンは「高い音から低い音まで伸び伸びと概ねフラット気味に出てくれて、定位がしっかりしていて、解像度や分解能が高くて、音場感の感じられるものが良い」と思ってました。というか今でも思っています。そして「無線よりは有線の方が音が良い」と思っていました。

しかしそんな理想的なイヤホンを何本も買う予算もないため、5,000円以下の普段使いの有線イヤホンを数本用意して、カバンに一本入れています。そんな普段使いのイヤホンと言えば、final E-3000Cだったり、中華イヤホンのKZ-AS10・KZ-ZSN PROあたりでした。いずれもマイク付きなのでPUBGモバイルもボイスチャットできますからね。

でも、昼飯を立ち食いソバで食べながら音楽聴きながらなんてしているとき、仕事をしているときに有線イヤホンだと不便だったりしました。そんなわけでBluetoothイヤホンに興味はあれど、店頭や知人のものを何度も聞かせてもらって「無線か有線かというより、そもそもイヤホンユニット自体の質が悪いんじゃね?」と感じていたのです。そりゃそうです。無線イヤホンは、コストの多くが無線やバッテリーの仕組みに充てられているから、イヤホンユニットをコストダウンせざるを得ないからね。

とはいえ冒頭の通り、ダメ元でネットの口コミ評価の高いサウンドピーツの福袋が安かったので買ってみました。その福袋には、左右完全独立Bluetoothイヤホン「SoundPEATS TRUE AIR」、Bluetoothヘッドホン「SoundPEATS A1 Pro」、そして冒頭で感動を覚えたワイヤードBluetoothイヤホン「SoundPEATS Engine HD Q40」でした。

玉石混交なSoundPEATSのBluetoothイヤホン・ヘッドホン福袋の中身

サウンドピーツの左右完全独立Bluetoothイヤホン「SoundPEATS TRUE AIR」は、楽天で1,000円くらいで試しに買ったAirPodsのパチモノと同じくらいクソ音質でした。エージングしてない直出しサウンドとしてもゴミ。どのへんがTRUEやねん。

左右完全独立型Bluetoothイヤホン「SoundPEATS True Air」

左右完全独立型Bluetoothイヤホン「SoundPEATS True Air」

そしてBluetoothヘッドホン「SoundPEATS A1 Pro」は低音スカスカで高音も10KHzくらいまでしか出ないゴミで、音質以前の問題でした。こいつは付属のケーブルを使って有線ヘッドホンとしても使えるのですが、試しに聞いたところやはりクソでした。なにがProやねん。

有線接続も可能なBluetoothヘッドホン「SoundPEATS A1 Pro」

有線接続も可能なBluetoothヘッドホン「SoundPEATS A1 Pro」

しかしワイヤードBluetoothイヤホン「SoundPEATS Engine HD Q40」には驚きました。高級イヤホンのような音は当然しませんが、ほどよくドンシャリで、ほんのり華やかな色つけはありながら、出るところは出て、歯切れもよく、解像度もそこそこ高い。それでいて聴き疲れないという普段使いには無敵状態でした。使っているうちにエージングも進み、高音が艶やかになり、音全体に腰が出きました。Bluetoothイヤホンにありがちなホワイトノイズも低くて許容範囲でした。

KZイヤホンがじゃじゃ馬かオラオラ、final E-3000Cは紳士とするなら、サウンドピーツは好青年という、もはや無線がどうこうという感じではなく「コスパの良いイヤホン」でした。ならば、これの後継機種の音を聴いてみたい!とポチったのがこちらです。

今回購入したSoundPEATS Force HDの主要スペックは以下の通りです。Bluetooth5.0に対応していること、APTX-HDに対応していること、バッテリーが長時間持つところがポイントです。

SoundPEATS Force HD 主要スペック

Bluetoothプロファイル:5.0、HSP、HFP、A2D、AVRCP
チップセット:クアルコムQCC3034
オーディオコーデック:SBC、APTX、APTX HD
再生時間:約35時間(再生音量による)
充電時間:約2.5時間
バッテリー容量:300mAh
最大通信距離:10m
重量:33g

SoundPEATS Force HD 開封レビュー

ということでAmazonから着弾したSoundPEATS Force HDのパッケージはこちら。シェアやゼンハイザーあたりの業務用機器っぽい雰囲気を醸し出しています。

品の良いSoundPEATS Force HDのパッケージ

品の良いSoundPEATS Force HDのパッケージ

フタを開けてみると、ケースがどでんと鎮座。

発泡スチロールなどを使わず、ケースが緩衝材になっている合理的なつくり

発泡スチロールなどを使わず、ケースが緩衝材になっている合理的なつくり

同梱内容は、SoundPEATS Force HD本体、イヤーピース5組、耳にかけるパーツ3組、充電用USBケーブル、収納ケース、クリップ、ケース用カラビナ、ドキュメント一式です。

SoundPEATS Force HDの同梱内容がこちら

SoundPEATS Force HDの同梱内容がこちら

ちなみにケースを開けるとこんな感じに入っていました。SoundPEATS Force HD本体を留めるマジックバンドが丁寧に3組も巻かれています。

ケースに本体やイヤピースなどがキレイに納まっている

ケースに本体やイヤピースなどがキレイに納まっている

ケースにカラビナを装着するとこんな感じになります。わりと作りが良くて、これは他にも使えますね。

腰やカバンにぶら下げて使うことが出来る便利なケース付き

腰やカバンにぶら下げて使うことが出来る便利なケース付き

充電用USBケーブルは、USB TYPE-CではなくMicroBです。長さは短めで30cmくらいかな。

USB MicroBケーブルでの充電はそろそろやめて頂きたい

USB MicroBケーブルでの充電はそろそろやめて頂きたい

シリコンイヤーピースは、本体に装着済みのMサイズを含めてサイズ違い5組がセットに含まれます。カナルイヤホンが苦手な方でも小さめサイズをつけると気になりませんよ。

何という名前かわかりませんが、外耳にひっかかるようになるイヤーフックも、装着済みを含めて3組付属しています。

イヤーフックを実際に耳に付けてみるとこうなります。この手のイヤホンは耳に刺さる角度が変わると音質が変わるのですが、これのおかげで安定するため走りながらでも大丈夫。さらに遮音性や音漏れ防止効果も高まるというメリット付きです。イヤーフックが気に入らない場合は、外すこともできます。

で、SoundPEATS Force HD本体の全貌はこちら。こうしたイヤホンは首の後ろに左右つながるケーブルがきますが、太めになっています。このおかげでケーブルがプランプランせず、ズレにくいのでタッチノイズも防ぐことが出来ます。またケーブルが全体的に絡まりにくくもなっています。

リモコンマイク部分がこちら。プラスを一回押すとボリュームが上がり、長押しすると次の曲にスキップという感じ。長押し時間がやや長めですが、ボリュームを上げるつもりがスキップした、ということは防げそうなので問題ありません。ワキに充電用USBポートがあります。IPX6防水タイプのためカバーもしっかりしています。丸い小さな穴がマイク部分です。

で、お待ちかねのイヤホンユニット部分です。10mmダイナミックドライバーユニットが2発入っているためやや大きめですが、上記のイヤーフックのおかげで耳から落ちやすいなどの不便はありません。

イヤーピースを外してみます。金属製の網が耳垢ガード代わりとなっています。

ヨコから見てみます。イヤーピースが簡単に外れないようステムには段差がついています。

さらに違った角度からの写真がこちら。小さなダクトが溝を伝ってステムの方に抜けるように見えます。これなら音漏れも少なそうですね。

ちなみにイヤホンユニットの裏側には磁石が付いていて、使わないときにも落としてしまわないようネックレス状態にすることができます。私の場合は配信収録の仕事をするときにイヤホンを首にかけっぱなしにするのですが、このおかげで動き回っても紛失することがありません。

設定方法について。SoundPEATS Force HD のBluetoothペアリング方法は、特筆するような操作はありません。真ん中の再生ボタンを長押しすると電源オンになり、同時にペアリング待ち状態になります。その際にスマホやデジタルオーディオプレーヤー側のBluetooth設定画面を開くとSoundPEATS Force HD が表示されるので選択すればあっさり完了です。

ペアリングが成立すると、Androidスマートフォンなどの場合は、Bluetoothコーデックのひとつである「aptX HDコーデックを使用します」と表示されます。SBCとは段違いに音が良いaptX HDが使えるのは当製品の大きなメリットです。

Bluetoothイヤホン「SoundPEATS Force HD」音質レビュー

今回はエージングせずに聴いてみました。ちなみにエージングとは慣らし運転のことで、買ったばかりのイヤホンに半日〜2日程度音を流し続けることで本来の性能を引き出すことをいいます。プレイヤーはAndroidスマートフォン エクスペリアXZ-01Jです。音源ソースはApple Losslessエンコードしたaiko、ずっと真夜中でもいいのに、を中心に、ジャズやらクラシックなどいくつか。ストリーミングからはYOASOBIで、その音質は・・・

「すげえ。正統進化している」と独り言を漏らすほど。

全般的な音質は、ややドンシャリ。しっとりやクールではなく、ややドライで華やかな印象と相まって、アメリカンな音作り。少しオーディオをご存じの方には、昔のJBLっぽい、というと分かりやすいでしょうか。

高音域と低音域のコシがしっかりしている分、中音域が目立たないのですがけして不自然さはありません。

女性ボーカルは定位がしっかりしていて、ほどよく伸びがあり、良い意味で元気のある声を聴くことが出来ます。ボーカルの距離は遠からず近からず。ギターやベースのディストーションエフェクトもじっとりではなく、軽快に聴き取ることができます。

特筆すべきは低音のコシの低さと太さ。前モデルよりもやや低音が強めというか低いところからも出てくれています。しかし中高音は破綻していません。それでいて歯切れも良いので、量感はありながらしつこくないという、デュアルダイナミックドライバーの良さを引き出している印象です。いわゆる「重低音イヤホン」とは異なります。

そして低音の抜けと歯切れが向上しているので、ダイナミックレンジも良くなった印象です。前モデルで十分満足していたのですが、確実に良くなっています。3,000円そこそこで買えるBluetoothイヤホンと考えれば、圧倒的なハイコストパフォーマンスを実現しています。低音の話ばかりしていますが、中高音もコシがあって晴れやかに伸びてくれるので、あまりソースを選ばないと思います。

そんな感じで普通の人にとっては大満足間違いないのですが、イヤホン好きの私からワガママを言えば、もうちょっと抜けの良さが欲しいと思いました。エージングしてないし、このクラスに求めるのも酷かとは思いますが、厳しめにいうと高音も低音も何か漏れてる抜けてる感じです。逆に言うとポテンシャルを引き出せてないのではと考えました。「これはイヤーピースが原因なんじゃないか?」と思い、取り出したのは手元にあったSpinFit CP145-Mという市販のイヤーピースです。

SpinFitのCPシリーズは、軸と外側が異なったシリコンを使用していて、軸の方が吸音しづらい、イヤホンの持つ性能をストレートに届ける傾向があります。SoundPEATS Forceシリーズはステム(イヤホン側の軸)が短いタイプなので、SpinFitなら本当はCP360が適合するのですが、手元にないので取り急ぎです。

実際に装着してみました。で、あらためて音質は・・・

はい、ありがとう。もうぜんぜん、別人です。SoundPEATS Force HD が化けました。

ややドンシャリで、ドライで華やかな印象は変わりませんが、高音域と低音域のコシがさらに強く、音の抜けが一気に良くなりました。ボーカルの高域やピアノの右手はより高く、スネアはストーン!となり、バスドラやベースはよりリズミカルになりました。
控えめに感じていた中音域も改善され、カッティングギターやタムの表現力なども向上しています。付属のイヤピースでも悪くはないのですが、ここまで変わるとなると正直驚きました。

ただ、SpinFitだと音の抜けが良い分、低音が出すぎという人がいてもおかしくはありません。他の市販イヤーピースも試してみたくなりましたので、また追記したいと思います。

まとめ

福袋で買ったSoundPEATSのワイヤードBluetoothイヤホンが良かったため、後継となる最新機種 SoundPEATS Force HD を購入してみました。

何しろ3,000円そこそこで買えるBluetoothイヤホンですから、完璧を求めるのはムチャな話です。足りないところを不満に思うより、良いところが如何に自分にフィットするか、自分の好みに合うかを判断すべき、と考えていました。ところが、そんな考え方はどうでもいいほど気に入りました。

筆者自身、イヤホンマニアではないつもりですが、たぶんイヤホンを20本以上所有していて、リケーブルケーブルやらイヤピースを取り揃えている時点で、イヤホンへのこだわりは異常だと思います。そんな筆者が「一般の人はどんなイヤホンを気に入るのだろうか」という客観的な視点から判断して、SoundPEATS Force HD は「買い」だと自信を持ってオススメします。

ひとつだけ、SoundPEATS Force HD の改善点というか直して欲しい部分は、「ボリューム調整が難しい」ということ。ほんのちょっとだけ音を大きくしたい小さくしたいとボリュームを変えようとすると、けっこう大きく動いてしまう点。これはコントローラーチップとかの都合かもしれず、SoundPEATSのQ35やForceシリーズなどのワイヤードBluetoothイヤホン共通の仕様のようです。大した不都合でもありませんが、次世代モデルでは直ってくれるとありがたいです。

ハンズフリー通話で効果を発揮するCVCノイズキャンセリングは今回試していませんので、気になる方は是非ご自身でお試し頂ければと思います。

それでは本日ご紹介したアイテムをふり返ります。3,000円そこそこで誰でも幸せになれるワイヤードBluetoothイヤホン SoundPEATS Force HD はこちら。

試してみたら音が3倍良くなったイヤピースがこちら。Mサイズ以外にも選べます。

文中に登場した、お手頃価格でありながら大人の音を出してくれるコスパ最高な有線イヤホン final E-3000C はこちら。高級イヤホンブランドfinalが手加減せずにエントリーシリーズを作ったらこうなった、というガチな逸品。今回ご紹介したイヤホンの中で最もナチュラルな音を楽しめます。

同じく文中にあった、低価格にもかかわらずバランスドアーマーチュアとダイナミックドライバーを備え、荒削りながらも価格帯を超えた中高音の表現力を見せつける中華イヤホン KZ-ZSN Proがこちら。安いのにリケーブルに対応。マイク有り無しを選べます。

KZ社のマルチドライバーイヤホンのなかで、個人的に最高傑作と感じているのが、バランスドアーマーチュアを計10発も使用した KZ-AS10 。高級メーカー品なら10万円でもおかしくない構成が、十分の一以下で買えてしまう脅威を味わえます。普段使いに5BAイヤホンが使えてしまう贅沢。

 

以上、ブログ「オニオン座」がお届けしました。最後までご覧下さり誠にありがとうございました。

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