【レビュー】Bluetooth-DACアンプ「FiiO フィーオ BTR3K」を買ったぞ

昨年買ったBluetooth対応USB-DACアンプ「Qudelix-5K」が調子良すぎたので、ライバル機の音も聴きたくなり、FiiO フィーオ BTR3Kを買ってみました。

有線イヤホンを無線化できるBluetooth-DACアンプは、ハイレゾ音源もほぼロスレスで聴ける優れ物。スマホで使えば外出先でもAmazonミュージックなどのハイレゾ音源サブスクをストリーミングで楽しめます。もちろんデスクトップPCにつないでも使えます。

使い勝手や音質の違いなどや、1ヶ月以上使ってみた使用感も含めてレビューします。

目次

結論:Bluetooth-DACアンプ「FiiO フィーオ BTR3K」は「買い」です。ただし条件付き。

結論から言います。Qudelix-5Kと比べると音の雰囲気が全く異なりますが、聴き疲れしにくく、いわゆる「音楽的」なサウンドが好きな方にオススメです。良い意味でスマホサウンドの上位版なので、初めての方も音に違和感なく楽しめると思います。

LDACやAptXなどの高音質Bluetoothコーデックに対応し、USB-C接続でパソコンなどでも使え、2.5mmバランスも搭載。電池の持ちも良く、機能面で特に死角がありません。AACにも対応しているのでiPhoneユーザでも使用可能です。

「条件付き」としたのは、音質の好みによって評価が分かれるかもしれないからです。よく言えばナチュラル、意地悪に言えば特徴が薄いといえるからです。無論、スマホ直刺しより遥かに音はいいのですが、Bluetooth DACやUSB DACを買い慣れている人は、以下を読み進めて好みと合うかを確認してほしいです。

例えば、クリアでより高解像度なサウンドが好きな人、固めのちょっとデジタル臭い音に違和感がない人は、Qudelix-5Kの方がオススメです。

Bluetooth-DACアンプ FiiO フィーオ BTR3Kのスペック(仕様概要)

・サイズは58mm×24mm×11mm、重量は約23.5g
・旭化成エレクトロニクス(AKM)製DAC+アンプ統合型チップ「AK4377A」を左右独立構成で2基搭載。
・歪 : -107dB
・S/N比 : 122dB
・バランス出力 : 78mW / シングルエンド出力 : 25mW
・3.5mmシングルエンド出力のほか、2.5mmバランス出力を搭載
・低ジッター環境を徹底するため、独立した2基の水晶発振器を搭載
・BluetoothレシーバーにQualcomm製「CSR8675」を採用し、高い接続安定性を実現
・AAC/apt X/aptX LL/apt X HD/LDACといった主要高音質ワイヤレスオーディオコーデックに対応
・バッテリー持ち6時間前後(実動感覚値・ハイパワーモード)

Bluetooth-DACアンプ FiiO フィーオ BTR3Kを選んだ理由

FiiO BTR3Kを買うにあたって以下の機種と比較しました。結局、旭化成AKチップ機を使ってみたかったのと、シェア率の高いFiiOを一度使ってみたい、ということでBTR3Kにしました。

BTR3Kより先発であり上位機種でもある「FiiO BTR5」は、Qudelix-5K搭載のES9218pの後継チップES9219Cを左右独立構成していて魅力的でした。しかし試しに買うには少しお高い。お値段は以下リンクにて。

EarStudio ES100 MK2も旭化成のAK4375Aをデュアル構成しているし、クチコミレビューの評価が高いのが魅力的。価格的にはBTR3Kと大差なし。お値段は以下リンクにて。

なお、オニオン座が探し求めているBluetooth DACアンプの条件は次の通りでした。上記製品はいずれも条件をクリアしていたのですが、ポタオデ界隈で有名なFiiO(フィーオ)を使ってみたいなあということでBTR3Kを選びました。

・バッテリー内蔵で携帯できるBluetooth DACアンプであること。
・できればDACが左右独立構成であること。
・Bluetoothワイヤレスコーデックとして、aptX HDLDACに対応していること
・3.5mmシングルエンド出力のほか、2.5mmバランス出力を搭載していること
・USBケーブルでパソコンなどと直結して使うUSB-DAC機能があること
・無料の純正アプリによりイコライザーなどがつかえること

Bluetooth-DACアンプ FiiO フィーオ BTR3Kの商品内容チェック

今回購入したFiiO BTR3Kは、実際に1ヶ月以上使ってみて、レビューを書くのに値すると感じました。

我が家へ到着したFiiO BTR3Kがこちら。ハイレゾワイヤレスオーディオのロゴがかっこいい。

パッケージの裏面。ちなみにこのハイレゾロゴはソニーの商標でしたが、独占使用からハイレゾ普及のために自由に使えるように解放してくれたらしい。

パッケージ内容は、BTR3K本体、充電用USBケーブル、クリップ付きケース、ストラップ、クイックスタートガイドです。このケースが秀逸でした。

BTR3K本体がこちら。3.5mmアンバランスと2.5mmのバランスイヤホンジャックが並びます。たぶんこちらがオモテ面かな。ロゴも柄もなくシンプルで、鏡面っぽいです。高級感こそありませんが、まあ普通かな。

反対側はUSB TYPE-Cポートのみ。側面には電源ボタン、ペアリングボタン、ボリュームボタンです。パイロットランプもあります。

裏を返すとハイレゾワイヤレスオーディオのロゴと認証マーク。

こんなに小さい。

ケースのクリップはこう。服につけるのに便利です。

実は大のお気に入りのQudelix-5Kは本体にクリップが付いているのですが、ラフに使っていたら壊れてしまいましてね。伝播効率を考慮すると筐体は樹脂製になるので、力が入る部分はこうなるのでしょう。

クイックスタートガイドは多言語で書かれています。まあ見なくても大丈夫ですけど、再生中に光る表面のインジケータの色については知っておきたい。

SBC:青色で点滅
AAC:水色で点滅
aptX/aptX LL:紫色で点滅
LDAC:白色で点滅※充電中は赤色で点滅します。

FiiO BTR3KとQudelix-5Kを並べてみました。サイズ感は同じくらい。

FiiO BTR3Kを使う前に、無料の専用アプリFiiO Controlをダウンロードします。もちろんiOS版もあります。

FiiO Controlではゲインなどの出力設定の変更やイコライザーなどが操作できます。FiiO BTR3Kのファームウェアのバージョンアップはアプリからではなく公式WEBサイトから行います。

音質チェック!旭化成製AK4377AチップとESS Technology製ES9218pの違いに注目

お待たせしました。FiiO BTR3Kのサウンドチェックをしてみます。サウンドソースは、CD音質はロスレスALAC(Appleロスレスエンコード)、ハイレゾはAmazonミュージックとMoraから購入したハイレゾ音源です。

イヤホンは、この製品のグレードに合わせて、3.5mmはイヤホンをfinal E-3000C(FI-E3DSSC)を中心にチェックしました。ヘッドホンはオーディオテクニカの密閉式ATH-M70xから。2.5mmのバランスイヤホンは、リケーブルしたKZ ZN ProATH-IM04を使用しました。1日だけエージングしました。

以下、レビューっぽく口調を変えます。

総論:
ある意味、iPhone/iPad系のサウンド。もちろんスマホの直刺しよりもずっと良いのは間違いない。解像度も分離もダイナミックレンジも明らかにいい。全体的にはモニター的ではなく、「音楽を気楽に楽しむ」方向と思う。

少し具体的にいうと、サウンドスケールはやや下が膨らんだかまぼこという印象で、かつデジタル臭さは控えめであり、ラフだが空気感は感じる。ドライではなくウェット。

高解像度というより雰囲気で聴かせるタイプ。ボーカルの超微細な表情を明瞭に感じる、というよりも、ボーカルのライブ感が楽しい、というイメージで伝わるだろうか。音場は特に広くはなく、定位や分離もすごくクッキリはしていない。でも「コンサート・ライブで定位とか分離はそんなに必要?」なんて気にさせてくれるワイヤレスDACだ。

以上のことからアナログサウンドの似合うアーティストやバンド、グループに適していると感じる。

高音・中高音
存在感が十分あって良い。ただし、すごく伸びがいいかというとそうでもない。

中音
音が太くて心地よい。厳しくみれば団子感が否めない。

低音
中音同様だが、フロアスピーカーのような心地よい低音の膨らみを感じる。歯切れは良いので、バスドラのリズムワークがとても楽しい。

その他
ホワイトノイズが出力設定とイヤホンの種類によって多少聞こえる。インピーダンスが低めのイヤホン、例えばKZ ZN Proでは多めに聞こえる。ゲイン調整は可能だが、Qudelix-5Kのように無段階ではないため、インピーダンスが高めのfinal E-3000C(FI-E3DSSC)がやはり相性が良い。

約1ヶ月使ってみての感想
当初は少し団子感があり抜け感不足だったが、使っているうちにだいぶ改善してきた。エージングは必須と感じる。角の少ない柔らかめでありながら音が太くなるというサウンドが引き立ち、好んで使うようになってきた。

純正アプリの出来はQudelix-5Kの方に軍配が上がるが、普通に使えるので問題なし。バッテリーの持ちも問題なく、不安な場合は2,3日に1回充電すれば通勤やちょっとした外出するくらいなら足りる。

実用上の不満、音への不満は特にない。この価格でこれだけやってくれれば十分だろう。どこぞのYoutuberが言ったらしい「耳がとろける」は過大だが、普通に良い。

一点だけ不満があるとしたらファームウェアのバージョンアップ。公式サイトのサポートページからダウンロードするようだが「ページが見つかりません」となった。一時的なものと思うのでまた試してみたい。

まとめ

Qudelix-5K(左)とFiiO BTR3K(右)は、どちらもオススメできるレベルだけど、音のキャラクターがぜんぜん違う

Qudelix-5K(左)とFiiO BTR3K(右)は、どちらもオススメできるレベルだけど、音のキャラクターがぜんぜん違う

BluetoothワイヤレスDAC(携帯式DAC内蔵ヘッドホンアンプ)のQudelix-5Kが大変気に入り、同価格帯でかつ有名なDACチップを搭載したFiiO BTR3Kをネットで購入しました。

商品自体は作りが良く、またクリップ付きケースがとても使いやすいことが特徴的でした。Qudelix-5Kのように本体にクリップがあると、力のかかる部分なので破損しやすいため、やはりケースにクリップが組み込まれていた方がよいと感じました。

肝心の音質については、スマホ直刺しよりも明らかに良いことは分かりました。高解像度というよりも、存在感と雰囲気が増す方向性であり、アナログサウンドでその良さを発揮できそうな音作りでした。

しかし、オニオン座は考えました。

搭載されているDACチップ以外の特徴や機能は概ね同じなFiiO BTR3KとQudelix-5Kを比べた場合、どちらがオススメなのかまとめてみます。

FiiO BTR3Kがオススメな人

→ 聞き疲れすることなく、音楽的で芯の通ったサウンド、あたたかい曲を楽しみたい人

Qudelix-5Kがオススメな人

→ 解像度と分離の高い音作りで、音源に含まれる音を極力逃がすことなく聞き取りたい人

もし、オニオン座管理人が「どっちか片方を買うとしたら、どっちがいいですか?」とプライベートで聞かれたなら、Qudelix-5KまたはESS社チップ搭載機をオススメするでしょう。

理由は、Qudelix-5Kの方が音的に個人的に好きなこと。もう一つはあまりオーディオに詳しくない人であっても「あ、違うね、いいね」となるサウンドだからです。BTR3Kは「iPhoneとあまり変わらないんじゃないかな?」と思われてしまう可能性を秘めている気がします。

ここからはオーディオマニアの戯れ言であり、かつ全くの想像。様々なオーディオ機器を聴いてきましたがAKチップの底力は素晴らしいと思うしESSを凌駕するとさえ思います。でも、当商品はそこまでいかず、中途半端感が否めません。

もしかしたらAKチップを搭載するオーディオ機器は、いわゆるハイエンドクラスのようなリッチなパーツを用いてこそ本領を発揮するのではないかと思います。エージングが進んだら化ける可能性もあるので、しばらく経ったらまた追記したいと思います。

それでは本日ご紹介したアイテムを振り返ります。

スマホをお使いの方が、スマホ直刺しよりもずっとずっと音が良く、かつ違和感ない音作りであったFiiO BTR3Kはこちら。

固めで解像度の高めな音作りが好きにオススメなQudelix-5Kはこちら。

以上、ブログ オニオン座が「Bluetooth対応USB-DACアンプ「FiiO フィーオ BTR3K」を買ったのでレビューしますね」をお届けしました。最後までご覧下さりありがとうございました。

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