初心者が中古スマホを安心して購入する方法と、中古スマホ業界用語を伝授します

この記事では中古スマホの選び方を、販売業の業界経験者の私が少し分かりやすくご紹介します。

私は数年前に中古スマホ業界にいましたし、自分自身でもたまに中古スマホを買うことがあるのですが、友人に言わせると「中古スマホはなんか心配だから買えない」「中古スマホの用語の意味が分からない」といった意見を耳にすることがあります。

中古スマホは格安SIMや子供用にちょうどいいと思っているのですが、同様の不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。この記事をご覧になって、中古スマホが初めての方や不安な方にも安心して購入してもらえれば幸いです。

目次

初心者が中古スマホを安心して購入する方法と、中古スマホ業界用語を伝授します

中古スマホは、店舗とネット通販のどちらで買うべきか

どっちも善し悪しがあるので悩むところです。実物を見て納得して買いたい、という気持ちを満たす上では店舗で買うのが一番でしょう。これが店舗で購入する最大のメリットです。

ただしネット通販と違って店舗は家賃や人件費がかかるためどうしても割高になります。例えばネット通販では16,800~19,800円で買えるiPhoneだと、店舗の相場では19,800~23,800円ほどになります。店舗で購入する価格は、ネット通販で買うよりも2,3割は割高になると思っておいた方がいいでしょう。

一方、ネット通販で購入する場合は価格競争が激しいので価格は割安になります。実物を手に取ってみることはできませんが、下記のように商品ランクが書かれていますし、ネット販売業界もこなれてきていますので特にトラブルはないと思っていいと思います。

以上から、特にコンディションにこだわらない方はネット通販で買った方がお得となります。

 

中古スマホは、ネットフリマとネット通販のどちらで買うべきか

コスト重視でネット通販にて買うと買うと決めたとしましょう。メルカリやヤフオクなどで個人から買うか、ネット(ヤフオクや楽天、その他ネットショップ)にて中古スマホ業者(ネット店舗)から買うかという選択肢が出てきます。

メルカリやヤフオクにて個人から買うとした場合、実はメリットはあまりありません。強いて言えば、中古スマホ業者よりも細かな状態などを商品ページに書いてくれる親切な人も一部います。商品写真がわかりにくいようなら質問欄から要望すれば追加写真を掲載してくれる人もいるでしょう。

でも忘れちゃいけないのが、個人間の取引にあるノークレームノーリターンの原則です。不具合があっても齟齬があっても対応してくれない前提で販売されています。これが個人間取引のデメリット。使用後に赤ロムになっても当然無保証。その裏返しで安価で落札できる可能性もありますが、初期不良くらい対応して欲しくありませんか?

一方、ネット通販で業者(法人)から買う場合です。業者によっては品質保証1ヶ月などをつけてくれることがあります。商品到着後にタッチパネルで反応しない箇所があるなどの初期不良や、万一赤ロムになった場合など全額返金してくれるところが増えてきました。少なくともジャンク品でもないかぎりノークレームノーリターンなどとは言わないはずです。

なぜなら、購入者からのクレームが多いとAmazon、Yahoo!ショッピング、楽天などのショッピングモールから出店停止になってしまうからです。実際、私が勤めていた中古スマホのネット販売はAmazonから追い出されてしまいました。

業者の場合は個人間取引と違って大量のスマホをさばいていますから、素っ気ない対応とかあるかもしれませんが安くて保証付きのスマホを購入した方が安心できることがありますよね。

以上から、中古スマホはネット店舗または出店業者から購入されることをオススメします。

中古スマホ業界用語:商品ランク(状態ランク)

ヤフオクやメルカリでの個人間の取引ではあまり出てきませんが、中古スマホ業者の商品情報にはAランクとかBランクとか書かれていることが多いと思います。

Sランク・Aランク・Bランク・Cランクの4段階が多いでしょうか。なかにはSランク・Aランク・Bランク・Cランク・Dランク・Eランク・ジャンクといった7段階のところがありますね。

実は中古スマホ業者はこのランク付けの説明をいかにうまく書くか命をかけてます。なるべく良さげに書きたいけども、必要以上に良く書いてもトラブルの原因になるし、逆に悪く書きすぎても購入者の不安をかき立てることになるし。

そんなわけで各社様々な表現はしてますが7段階評価をざっくりまとめると以下のようになります。

Sランク:未使用品、新品同様品、新古品
Aランク:中古なんだけど新品同様品
Bランク:ぱっと見は綺麗だけど、わずかに擦れた痕(使用感)があるかな的な状態
Cランク:まあ中古なんだから普通これくらいの傷はあるよね的な状態
Dランク:目立つ傷が多いものだが使用上問題ないもの
Eランク:目立つ傷のほか液晶浮き(詳細は後述)などあるが使用上問題ないもの
ジャンク:文字通りガラクタで文鎮にしかならないものから、外見上問題ないけど水没反応があるものとか、最低限電源は入ることしか確認できていないというものまで業者によって様々。

ここで注意したいのは、S~Cの4段階で販売している業者のCランク商品です。実は7段階評価でいうところのC・D・Eランクが混在してCランク商品とされます。つまり、それなりの中古から、傷が多いものまで玉石混淆である可能性が高いです。有名なところだとイオシスとかゲオとかがこれにあたります。

それなりの状態のものでいいけど、あんまり傷の多いのはやだ、という人はランクが細かい業者から購入した方が無難といえます。

 

中古スマホ業界用語:ネットワーク利用制限

ネットワーク利用制限に問題があると、通話やデータ通信ができなくなります。iPhoneもAndroidも関係があります。

元々のスマホ所有者がスマホを分割払いで購入したとします。分割払いがまだ続いている状態、つまり未済金額がある状態では、ネットワーク利用制限は△となります。

さらに全額支払った後にしばらく経つとネットワーク利用制限は○になります。一括払いで購入した場合は購入後しばらく経つと○になります。

もしも分割払いが滞った場合、ネットワーク利用制限は×になります。こうなるとSIMを使った通信ができなくなります。通称「赤ロム」といわれます。

つまりスマホ代金を払い終えたら○、支払い中なら△、支払いが滞ると×となります

○や△の状態なら通話やデータ通信はなんら問題ありませんが、×になるとこれらが使えなくなる制限がかかってしまいます。ちなみに×の状態のスマホのことを「赤ロム」といいます。○が×になることはありませんが、△が×になることはごく希にあります。逆に×を○や△にする方法はありません。

中古スマホを購入したのにネットワーク利用制限が×になったら困りますよね。業者によっては赤ロム保証といって、×になったら購入金額を全額返金してくれるサービスを提供しているところがあります。滅多なことでは×になりませんが参考にしてください。

ちなみに実際に私が働いていた会社では、扱っている中古スマホが△から×になってしまう確率は1万台に1台あるかないかだそうです。その確率の低さから、△の端末は特に説明なく普通に販売されることがあります。

ちなみにヤフオクなどでは赤ロムは販売しないようガイドラインで定められていたり、販売の際には製造番号(IMEI)の表記を義務づけていたりもします。もし違反すると出品取り消しやアカウント停止という厳しい処分が課せられます。

したがって中古スマホ業者でわざと赤ロムをそうでないものとして販売することは、よほど悪質な業者以外あり得ませんので安心していいと思いますが。

なお、ネットワーク利用制限の状態は、各スマホに固有に割り振られている製造番号(IMEI)の情報が分かれば誰でも調べることができます。購入前にIMEIが分かるようでしたら事前に調べておくと安心です。

ネットワーク利用制限は以下サイトで確認できます。

ドコモ:http://nw-restriction.nttdocomo.co.jp/top.php

au(KDDI):https://my.au.com/cmn/WCV009001/WCE009001.hc

ソフトバンク:https://ct11.my.softbank.jp/WBF/icv

 

中古スマホ業界用語:アクティベーションロック

アクティベーションロックがかかっていると一切の操作ができません。アクティベーションロックはAndroidにはなく中古iPhoneだけに発生するものです。

元々のiPhone所有者が「iPhoneを探す」設定を行っていて、これを解除せずに中古市場に流れてしまった場合、そのiPhoneは元々のiPhone所有者のAppleIDのパスワードを入力しないとロックがかかって使うことができません。このようにロックがかかってしまっている状態をアクティベーションロックといいます。

本来は盗難に遭ったiPhoneが転売されてしまっても使うことができないというセキュリティ的な意味合いがあるのですが、実際には買取下取時に「iPhoneを探す」の解除忘れということがほとんどだと思います。

これも中古スマホ業者から購入する場合は必ずアクティベーションロックは解除状態で販売されているので安心していいと思います。

ただしジャンク品として販売されているものにはアクティベーションロックがかかっていることがあり、その際には必ずその旨の明記がされていますのでご留意ください。

 

中古スマホ業界用語:液晶浮き

経年劣化により内蔵のリチウムバッテリーが膨らみ、液晶パネルが本体ケースから少し浮いたように見える状態のことを「液晶浮き」といいます。「液晶パネル浮き」とか「画面浮き」「本体浮き」も同じ意味です。

液晶パネルが浮くほどバッテリーが膨らむの?バッテリー燃えるの?やばくない?と思われるかもしれませんが、これが実用上問題ないことが多いです。最近のスマホは中身をぎっちぎちに隙間なく作られているのでほんの少しバッテリーが膨らんだだけでこうなりますから。

ただし液晶パネルと本体の間がぱっくり開いているようなひどい状態のものはいろんな意味で避けた方がいいと思います。まず防水機能は破綻しているし、それだけバッテリーの劣化がひどいということはバッテリーの持続時間も短いということになります。

ちなみにこのぱっくり開いた状態を業界用語で「ハマグリ」といいます。

via: https://gigazine.net/news/20150625-nexus-6-battery/

 

中古スマホ業界用語:液晶照度ムラ

経年劣化により液晶画面の部分的にわずかに明るい箇所や暗い箇所ができてしまう状態のことをいいます。実用上は問題なく、S~Cランク分けしている業者の場合はCランクで平気に売ってしまう程度のものです。「液晶抜け」「白抜け」などともいわれます。

 

中古スマホ業界用語:液晶変色

経年劣化により液晶表示の色温度が落ちることをいいます。よくあるのが全体的にほんの少し黄色く見えてしまう状態です。なかには新品でも液晶が黄色く見える、通称「尿液晶」が存在します。

Androidスマホ・タブレットの場合、液晶変色はよほど酷いものでなければ設定変更で改善します。設定>画面設定>詳細設定>ホワイトバランス で調整が可能です。

したがって特に画質にこだわる人以外は実用上の問題なく、これもS~Cランク分けしている業者の場合はCランクで平気に売ってしまう程度のものです。

中古スマホを買うにあたって期待しても無駄なこと

中古携帯とはいえ、全ての機能が問題ないものを選びたいという気持ちはわかりますが、あくまで精密機械であり、業者や個人間取引であっても検品しきれない部分があります。

1.防水機能

中古スマホ業者で防水テストをやっているところは存在しません。これは断言できます。

またスマホの取説を読んでもらえればわかると思いますが、防水の要であるコネクタキャップは消耗品であり防水機能を維持するには2年毎に交換(もちろん有償)して下さいとあります。コネクタキャップはラバー製であることが多く、経年劣化の影響をもろに受ける箇所であるため特段外見上問題なくて水没反応シールが異常なければ問題なしとして販売されていることが多いと思います。

ただし「水没反応はありますか?」といった質問をしてから購入するのはアリです。

2.Wi-Fi機能

SIMを刺さないでWi-Fiで使いたいから、というニーズがあるのはごもっともですが、やはり中古スマホ業者ではSIMを刺した通信テストは行っていても、Wi-Fi機能を厳しくテストしているところは存在しません。せいぜいWi-Fi接続して扇マークが出るかどうか調べておいてくれたら御の字です。滅多に壊れるものでもないので無事であることを祈りましょう。

3.バッテリーの持ち

いったん満充電にしてバッテリーが切れるまでの時間を計測したり、その時間が本来のスペックとどれくらい乖離しているかなどの確認などは、中古スマホ業者ではやっていません。これも断言できます。どうせバッテリーは劣化するものだから、ひとつひとつ確認する手間自体が馬鹿らしいというものです。バッテリーは消耗品ということで理解するしかありません。

 

そもそも中古スマホを購入するメリットはないのではないか

ここまで中古スマホの選び方をご紹介してきましたが、話をひっくり返します。

現在においては新品スマホでも低価格なものが販売されているため、耐用年数や信頼性を考慮すると中古スマホを購入するメリットは薄くなってきています。

ちょっと考えてみましょう。

数万円の中古スマホを購入して通信速度が遅かったりサポートやサービスがない格安SIMで運用するのと、ドコモなどの大手キャリアのスマホの型落ちを一括数百円で購入して十分なサポートとサービスを受けるのとでは、実はコストはあまり変わりません。むしろ後者のほうがメリットは大きいことがあります。

例えば私の場合は26年ほどドコモを使ってきていますが、ドコモ光とスマホ5台(うちiPhoneが2台)で合計20,000円ほどしかかかっていません。ドコモオンラインショップで新規・機種変更をすれば事務手数料や頭金もかからないし、型落ちしか選んでいませんので端末料金はタダみたいなものです。

格安スマホだけでなく、大手キャリアのキャンペーンや端末割引きとも比較して検討するのが本当に賢いスマホの選び方と言えます。

中古スマホを購入するにあたって気になる商品状態や症状についてご紹介しました。

ピカピカ綺麗なスマホが欲しければSかA、普通に綺麗なものはB、普通に使用感があるものはC〜D、ボロボロでも動作問題なしがよければEを選び、ネットワーク利用制限や諸症状をチェックして購入するようにしてください。

いろいろ書きましたが、上記を気にしながら商品ページをよく読んでいただければ中古スマホは安心して購入できるものだとご理解いただければ嬉しいです。

以上、ブログ「オニオン座」がお届けしました。最後までご覧下さり誠にありがとうございました。

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