先日購入した無線有線兼用のBluetooth DACが価格の割に音がめちゃめちゃ良くて感動しすぎたので、調子に乗ったオニオン座は、今度は有線のUSB DACアダプタを買ってみました。その使い勝手や音質をレビューいたします。
また、販売ページには「iPad Proには対応していない」と書かれていましたが、意外と使えてしまうんじゃないかと、人柱覚悟で試してみました。
高価なデジタルオーディオプレーヤーを買うのではなく、Androidスマホを気軽に高音質化して、音楽も動画も低価格で楽しんでしまいましょう。
いきなり結論:Androidスマホで、外出先で手軽に楽しみたい人にはUSB-DAC「radius RK-DA50C」はわりとオススメ
今回買ったRK-DA50Cは、イヤホンジャックのないスマホなどのUSB TYPE-Cに刺すと有線イヤホン・ヘッドホンが使用できるようになる、いわゆる「イヤホンジャックアダプタ型」のような、ポータブルヘッドホンDACアンプです。
イヤホンジャックアダプタはAppleなどからも販売されていますが、一般的なものは48KHz/16bit(又は24bit)までに対応していて、端末に差し込むだけで自動認識されてCD/DVD音質で聴くことができます。しかしハイレゾ音源には対応してませんでした。
このRK-DA50Cをはじめとした、イヤホンジャックアダプタ型のUSB-DACポタアンは、たいていのものがハイレゾ対応となっています。当機も24bit / 192kHzに対応していますが、なかにはスマホやDAPなどの端末のバッテリー消費を激しくするものが存在します。バッテリー内蔵の外付けDACと異なり、電源供給は端末側のUSBから取っているからです。本稿ではその辺の使い勝手も含めてレポートしますが・・・
とりあえず結論だけ言うと、RK-DA50Cは、Androidスマホと手持ちの有線イヤホン・ヘッドホンを使って外でも気軽に高音質が楽しめるので、移動中にAmazon Music HDなどのハイレゾ配信を聴いたり、映画やミュージックビデオを楽しむのに非常にオススメです。
音質的には、スマホより遙かに音の良いけども、エントリークラスのDAPに近いレベルと思います。したがって辛口なイヤホンマニアが満足するかというとNOです。ただし値段の割に良い音なのでそのコスパの高さには驚くでしょう。そして普通に音楽好きな方などから特に不満は出ないでしょう。
残念ながらLightningバージョンがないので、AndroidスマホかMacBook Air/Pro、Windowsノートパソコン(付属のUSB TYPE-Aアダプタ使用)をお使いの方にオススメです。
ともかく、使い勝手の良さ、低価格、スマホを十分凌駕する音質を兼ね備えているバランスの良さは、オーディオビジュアル界で有名なVGP2021 SUMMER 企画賞を受賞したのも納得です。
ラディウスのイヤホンジャックアダプタ型USB-DAC「radius RK-DA50C」のスペック
ネットショップと手元のパッケージ内容から、以下のような仕様となります。
Qualcomm Aqstic DAC搭載
対応フォーマット,最大24bit/192kHz
再生周波数範囲,20Hz~90kHz(0dB/—0.5dB)[@16Ω]
S/N比 123db@16Ω
歪み <0.0005%@1KHz・16Ω
対応USBオーディオクラス,USBオーディオクラス2.0
最大出力,0.9Vrms[@0dBFS、16Ω]
対応インピーダンス,16Ω~600Ω
出力,Φ3.5mmステレオミニジャック
質量 6g
ラディウスのイヤホンジャックアダプタ型USB-DAC「radius RK-DA50C」のメリット・おすすめポイント
以下のように、スマホと有線イヤホン・ヘッドホンがあれば手軽に高音質が楽しめるというものです。スマホで動画を観ることが多いと思いますが、そんなときに今まで以上に楽しめると思います。
USB-DAC「radius RK-DA50C」のおすすめポイント・長所
以下のように、スマホと有線イヤホン・ヘッドホンがあれば手軽に高音質が楽しめるというものです。スマホで動画を観ることが多いと思いますが、そんなときに今まで以上に楽しめると思います。
Andoroidスマホなどに刺すと、そのままイヤホンジャックアダプタのようにすぐ使える。
普通のCD/DVDサウンドだけでなく、ハイレゾサウンドも楽しめる。
一般的なスマホよりずっと音が良い。
有線イヤホン・ヘッドホンの資産が、イヤホンジャックのないスマホで使える。
外付けDACのようにバッテリーがないため、充電の手間がない。
このタイプでよく言われるような、バッテリー消費が激しいということはない。
無料アプリを使えば、音質の設定が可能である。
もちろんパソコンでも使える。
訳の分からん同タイプの中華品より安心できる。家電量販店でも売ってるので不良率も低いでしょう。
USB-DAC「radius RK-DA50C」のデメリット・欠点
特に欠点は見当たりませんが、まとめるとこの程度。
当然だが、無線ではない。
価格以上とは思うが、ビックリするような高音質ではない。
iPhone/iPadでは使えない。
「どうしてもワイヤレスでなければイヤだ!」という人以外には広くオススメできるガジェットです。
ラディウスのイヤホンジャックアダプタ型USB-DAC「radius RK-DA50C」音質チェックレビュー
というわけで「radius RK-DA50C」のパッケージがこちら。ハイレゾロゴが目立ちます。
パッケージ内容は「radius RK-DA50C」と、USB Type-C → Type-A のUSB変換アダプタ、取説だけというシンプルな構成。
サイズ感はこんな感じ。ちょっと高価なリケーブルケーブルみたいな線が特徴的です。
繰り返しになりますが、USB Type-Cを3.5mmイヤホンジャックに変える感じです。
USB変換アダプターにもしっかりラディウスのロゴ。
外見チェックもそこそこに、さっそく音を聴いてみたいと思います。
サウンドチェックに使用する再生端末はAndroid11のスマホ「ソニーXperia 1 II」です。Xperia 1 IIは、一世代前にはなりますがAndoridスマホのフラッグシップクラスであり、普通の3.5mmイヤホンジャックを搭載し、オニオン座の知る限りスマホの中ではトップクラスの音質を誇ります。
サウンドチェックに使用する有線イヤホンは、final E3000Cです。こいつは国内の高級イヤホン・ヘッドホンメーカーが提供するエントリークラスの最上位機種となります。価格の割に解像度は高く、音に厚みと奥行きもあり、低音もしっかり出て、ちょっと頭がおかしいレベルで音が良いです。5,000円前後の国内メーカー品の中でベストバイだとオニオン座は判断しています。
ちなみにE3000のマイク付きがE3000Cとなり、スマホでハンズフリー通話もできます。欠点は、実用上やや低能率(公式スペックは感度100 dB/mW・インピーダンス16Ωなのだが)なところ。普通のスマホでも十分使えますが、パワー(ゲイン)のあるDAPやポタアンだと能力をフルに発揮するところです。
※時間の都合、ハイレゾではないALACロスレス音源で聴いてみます。ハイレゾ&アプリ活用は後日追記します。
気になるRK-DA50Cのサウンドは・・・
ひとことで言えば、「元気の良いサウンド」です。いわゆるデジタルサウンドといいますか、聴きやすい程度の緩やかなドンシャリ感はありますが、若干音が固く感じられる分、解像度が少し良くなり音がハッキリとクリアに聴ける印象です。
E3000C自体は、やや柔らかな音を出す傾向がありますので、RK-DA50Cによって引き締まる感じです。
なので、特別オーディオに興味のない普通の人がRK-DA50C&E3000Cを使ったら「すげえ、超リアルサウンドやん」と驚くかもしれません。それくらいは変わります。良く言えば「モニターサウンド傾向」とでもなりますでしょうか。
高音が刺さるなどの目立つ帯域やピークも特に感じません。ノイズ感も特に感じられず、明らかに明瞭さが向上しています。無線DACやワイヤレスイヤホンでは避けられないホワイトノイズが生じにくいのも、こうしたイヤホンジャック型DACのメリットと言えそうです。
音場は広くはなく普通ですが、定位も良くなっていますが、マニア視点な辛口で言ってしまうと、音の奥行きがもう少し欲しいかな、という印象です。でも、こんな数千円のパーツに求めるのは酷というものかもしれません。
先日購入したBluetooth無線DACは最大2.0Vrmsに対して、当機は最大0.9Vrmsとなることからパワー感が弱まることが心配でしたが、よほど低能率なイヤホン・ヘッドホンでなければ普通に使用できます。
ここでのまとめとしては、オニオン座的に「買ってよかった」カテゴリーに余裕で入れるレベルでした。先日購入した「Qudelix-5K Bluetooth USB DACアンプ」には音質的に勝てませんが、使おうとしたときにペアリングがうまく行かずイライラすることが無線機器には付きもののため、さっと使えるRK-DA50Cは常備携帯しておきたいと思います。
ちなみに、RK-DA50Cを使ったことによるバッテリー消費については、全く気にならないレベルでした。厳密に計測していませんが、あってもなくても変わらない感覚です。むしろQudelix-5KでLDACコーデックでBluetoothで使ったときの方がバッテリーの消耗が大きい印象です。あえて旭化成AKチップなどではなく、Qualcommの省電力DACチップを使っている成果と思います。
「radius RK-DA50C」iPad Pro 11/12.9インチで使えるか試してみた
アマゾンの販売ページでは、USB Type-Cポート搭載の「iPad Proでは使えません」と断言されています。
しかし、オニオン座は多数のガジェットを買ってきて、失敗もたくさんしましたが学んだことがあります。それは『メーカーが「使えない」「非対応」としていても使えちゃうことがある』です。
利用環境や相性などの不具合が激しく、販売するガジェットについて公式に「対応」と言えない場合、無名の中華メーカーなら「使えます。※ただし対応機種に限る」「対応してます。※一部を除く」とぼやかすことがあり、レビュー欄を見ると「使えなかったよ」「使えたよ」が入り乱れることだってあります。
しかし、いちよ老舗メーカーのラディウスは真面目だから、きっと一部環境ではダメだけど、使えることがあるのではないか。とふんだワケです。
ということで、私物のiPad Pro 11インチ(第2世代)に、RK-DA50Cを刺してみました。Androidスマホなら何もしなくてもRK-DA50Cに接続したイヤホンから音が聞こえますので、イヤホンを耳に入れて音楽プレイヤーで再生ボタンをポチった結果・・・
盛大に、iPad Proのスピーカーから音が出ましたw
iPad Proは、RK-DA50Cを刺したことでエラーすら出さず、全く以て認識しません。。。
悪あがきしてみます。いったんiPad Proをシャットダウンし、RK-DA50Cを刺してからiPad Proの電源を入れてみます。しかしダメ。抜き差ししたり、音楽プレイヤーを変えたりしてもダメ。他のiPad Proでも試してみたものの結果は同じ。
結論としては「ラディウスは正直だ」でした。本当にiPad Proには対応していませんでした。もう少し強引な実験してみて追記したいと思います。とりあえず残念。
RK-DA50CではiPad Proで使えませんでしたが、以下のドングルDACでは普通に使えました。今回ご紹介したRK-DA50Cよりも遥かに高音質なのでご興味あればご覧ください。
まとめ
ラディウスのイヤホンジャック型USB-DAC「radius RK-DA50C」を購入して、スマホに刺してすぐ良い音が聴ける手軽さ、バッテリーの消耗を気にする必要がないことなど、非常に便利なガジェットであることが確認出来ました。
ある意味、超小型ポータブルヘッドホンアンプなのですが、充電の手間も必要なく、とりあえずカバンに突っ込んでおいて、スマホでイヤホンジャックが必要なときに刺すという使い方でもいいですね。
たぶん「DACがすごく良い」というよりも、出力ゲインが上がったことにより「イヤホンの本来の良さを引き出せた」という面が大きい気がしますが、ともかく手持ちの有線イヤホンを使えて、混線や音切れもなく、スマホで動画や音楽サブスクが楽しめるのはめっちゃ良いです。
ラディウスと言えばいにしえのMacユーザーからすれば高級グラボやディスプレイを販売していたメーカーとして有名です。一度だけラディウスのイヤホンを買って、音が悪すぎてゴミ箱へ投げ捨てたことがあります。そんなトラウマを吹き飛ばすナイスアイテムでした。
それでは本日ご紹介したアイテムをふり返ります。
以上、ブログ「オニオン座」が、『ラディウスのイヤホンジャックアダプタ型USB-DAC「radius RK-DA50c」を買ったのでレビューするよ」をお届けしました。最後までご覧下さり誠にありがとうございました。